大宮妄想です

自己満足の世界です。
皆さんのイメージと異なってもスルーしてください。
文章は拙いですが気にしないで下さいませ。




あれから毎日


『大野ー♪ゲームしよー♪』

「・・・」


俺のクラスにやって来る

黒板の件は

教師の目につくことはなかった為

特に騒ぎにはならず

その後は何もなかった

金曜日まで二宮と帰っていたが

日曜のことには触れず

授業の事とか

ゲームの話とか

テレビの話をしていた

気づいていたのかもしれない

俺が1週間、上の空だった事・・・


日曜日

朝から体が重い・・・

ここんとこずっと

あまり眠れなかった

ただ家に帰るだけなのに

母さんが悪いわけじゃないのに

こんなに気が重いものか・・・

ピロン♪


"何時頃来る?お昼一緒に食べよう♪"


そのメールに

胃のあたりが重くなっていく


"昼頃に着くよ"


俺、食欲ないのに

昼飯、食えんのか・・・?

食欲ないのがバレると

それはそれで心配かけてしまうし

重い足取りで準備をし家を出た

電車を乗り継いで1時間と少し

家に向かう足取りが余計に重くなる

胃のあたりが重くなる

母さんは離婚してから

購入した戸建ての家を売り

今1人でマンションに住んでいる

マンションに着くと

暫く眺めて入った

ちょうど正午


ガチャ♪


「・・・ただいま」


そう言うと

中からパタパタ音が聞こえてきた


「智♪お帰りっ♪」

「ただいま」

「お昼ちょうど出来たとこ♪
さっ、食よう♪」

「うん」


部屋に入ると

テーブルいっぱいの料理

それだけで

俺が帰ってくるのを

楽しみにしてくれていたのがわかる


「いっぱい食べてね♪」

「こんなに食いきれないよ」

「育ち盛りなんだから
いっぱい食べなきゃ♪」


生活はどう?

ご飯ちゃんと食べてる?

勉強はどう?

当たり障りのない質問で

会話が続いていく

喋っているのはほとんど母さんで

俺はそれに答えているだけ


「・・・母さんは?どう?」

「仕事も順調だし、元気よ♪」

「そっか」


だけどそれ以上聞く事はなかった

他に何かないか聞こうと思ったけど

難しい・・・


「智、食欲ないの?」

「っ、何で?」

「あまり食べないから」

「いや、作りすぎなんだって。
それに俺、元々少食だぞ」

「高校生だから
沢山食べると思ったんだけど~」

「持って帰って食うよ」

「えっ?!泊まって行かないのッ?!」


やっぱり、そう思っていたのか


「明日学校だし、勉強もあるし」

「そう、残念ね・・・」


今度泊まりに来るよ

そのひと言は言えなかった

少し無理して食った

母さんが片付けている間

テレビをつけ

チャンネルを変えるけど

どれも興味がない

適当に選んで見ていると

お茶を持って来てくれた


「ありがと」

「ね♪智♪」

「ん?」

「彼女できた♪?」


その問に

胃がキュッとなった

母さんは

父さんの癖に気づいていたようだけど

俺の事も気づいているんだろうか?


「そんな簡単に出来たら
誰も苦労しないって」

「せっかく
カッコよく産んであげたのに~♪
好きな子は?いるの♪?」

「ノーコメント」


こういう事

親は皆、普通に聞いてくるのか??


「も~。教えてくれたっていいじゃない♪
出来たらちゃんと紹介してね♪」

「彼女って出来たら紹介するもん?」

「するでしょ~♪
お母さんの職場の人の高校生の息子さん
彼女紹介してくれたって~♪」


例え恋愛対象が女だったとしても

俺は紹介したくないけど

遊ぶところが限られるから

紹介せざるを得ないだけか?

俺は親父とは違うと言った言葉を

母さんは信じているんだろうか・・・

交際相手に女を連れてくれば

母さんは安心するのか・・・?

母さんからの質問に

曖昧な返事をしつつ

テレビに夢中になってるフリをした

何時に帰ろうか

早く帰りすぎるのもよくないだろうし

遅くなると帰りづらいし

そんなことしか頭になかった

俺の生返事に諦めたのか

母さんは台所に立ち

昼に残った飯をタッパーに詰めだした

なんやかんやで

そろそろ夕方になる


「そろそろ帰ろうかな」

「今度はもっとゆっくりできるように
帰ってきてね」

「また、帰ってくるよ」


母さんからの荷物を受け取り

玄関を出ようとした時


「智」

「ん?」

「智は、あの人みたいに
ならないよね?」


そう言われ

自分がどんな顔をしているのか

全く分からない


「母さん。俺は、俺だよ♪
じゃあ、また。
風邪引かないようにね。」


暫く歩き

家が見えなくなった所で

大きく息を吐いた

その途端に

胃のあたりがギューッとなる

母さんの言う

「あの人みたいにならないよね」

ってどういう意味だ・・・?

男を好きになること?

それとも

人を裏切ること?

でも後者なら

そう言うはずだよな・・・

結婚して

子供もいて

その家族が住む家で

・・・親父のしたことは裏切り行為だし

許されないし、許せない

だけど、俺は?

人を好きになる事さえも

許されないのか?

相手が男だから認められないのか?

俺のような人間は

どう、生きればいいんだ・・・