大宮妄想です
自己満足の世界です。
皆さんのイメージと異なってもスルーしてください。

文章は拙いですが気にしないで下さいませ。



旦那様と奥様

5人の男とその親

そして俺と和也様

一緒に来た親というのが

常連のお客様だった為

俺が息子達を殴ったというのが信じられず

話を聞きに来たという


『智が、ですか?』

「ええ。私も耳を疑ったのですけど
息子が、智くんに殴られたと、そう」

「智っ、本当なのかっ?」

「旦那様、奥様、事実でございます
ご迷惑をおかけし申し訳ございません」


『智っ、どうしてっ』


「謝るのは俺達にだろッ!」


『そうだ!そうだ!!』


俺の方に男達の親の視線まで集まる


「あなた方には謝りません」

『!!!!』


俺の言葉に

付き添ってきた親は困惑し

息子達は怒りで声を荒らげた


「人を殴っといて謝らないとは!」

「奉公人のくせにッ!」

「こんな奉公人がいては
店の評判にも響きますよッ?!」


旦那様と奥様も困惑され

その空気を一瞬にして消したのは

和也様だった


バンッ!!


『!!!!!』

「たかだか一発殴られたくらいで
騒がないで下さい」

『かっ、和也??』


いつも静かで

怒ったところは見たことがない

常に行動を共にしていた俺ですら驚いた


「僕は昨日、智と祭りに出かけていました
そしたら、彼らが金をよこせと
そちらと、そちらと、そちらの男が
智を痛めつけ、お金を渡したにも関わらず
痛めつけるのを止めずに
今度は僕の方に歩み寄ってきたので
それまで手を出さなかった智は
殴ってきた男達を一発ずつ殴り
僕を守ってくれました」

『・・・・・』

「これが事実ですが、何か言いたいこと
聞きたいことはありますか?」


皆が和也様を見て言葉を失っている

常連のお客様も

いつも笑顔でいる和也様しか知らない

もちろん旦那様と奥様も見たことがない


「ほっ、奉公人がッ
身分が上の俺達を殴るなんてッ
あっていいわけがない!」

「身分が上ならば
何をしてもいいんですか?」


『何ッ?!』


「智は昨日のことは黙っていて欲しいと
僕に言いました」


『えっ?』


「人を殴り、金を奪う。
これは立派な罪ですよ?」


『・・・』


「お金も僕も無事だったからと
そう言ったんです」

「そんなのッ、自分の罪を
隠そうとしただけに過ぎない!」

「誰に頼まれたんです?」


『!!!!!』

和也様、気づいてー


「僕たちのことを知っていて
絡んできましたよね?」

「知るわけないだろ!
お前がそいつの名前を呼んだからっー」

「今、知っていた事は否定しても
絡んできたことは否定しませんでしたね?」

『ッ!』

そこで男達は互いの顔を見て

慌てふためいた

その様子を見て

旦那様も奥様も男達の親も

疑いの目を男達にかけた


「あなた方は最初から
僕だけがお金を持っていると知っていた
普通なら
見た目からして弱そうな僕を脅せば済む話
なのにわざわざ智の方を痛めつけた
僕らの関係を知っていたからです
奉公人は手を出さない。と」

『・・・・・』

「寄ってたかって智を痛めつけた事
僕は許しません」

『ッ!』

「和也、彼らは、何をー」

「卑怯者は顔を殴らないと聞きます」


和也様は俺の着物の上半身を脱がした

青い痣や赤くなっている痣が無数にある


『なッ!!』


「智っ、あなたっ、大丈夫なのっ?!」

「大丈夫です。仕事に支障はございません」 

「何故早く言わないんだっ!医師をー」

「いえ。本当に大丈夫です」

「腕にもっ、背中にもっ!なんて事っ!」


俺の怪我を見て

今度は男達の親が謝ってきた


『申し訳ございませんっ!』

「母上っ!何故謝るのですかッ?!」


その言葉に母親の顔付きが変わった


「あなたが嘘をついてないと
本当に言えるのですかッ?!
智くんの怪我はそれ程酷いのですよ?!」

「ッ!息子の話をっ、信じー」

「じゃあ、智くんに殴られた詳しい経緯を
皆様の前でお話しなさいッ!」


その言葉に俯いた


「証拠が欲しいと仰るなら
僕が目撃者を探します」

『!!!!!』

「昨日は祭り。周りには沢山の人がいました
必ずいるはずです、見ていた人が。
そうなれば今回の件が知れ渡りますが
どうされますか?」

『・・・ッ』


息子達の様子を見て

親たちは深々と頭を下げた

そして

『智くんっ、本当にごめんなさいっ』


そう謝ってきた


「親に謝らせるのは恥だと
気づいた方がいいですよ?」


和也様の言葉に

4人の男達が頭を下げてきた

主犯格のであろう男以外は

その男に誘われて。と口々に言ったが

謝らなかった男は

最後まで口を割らなかった

だが大事にしたくないからと

和也様の言葉に

皆が頭を下げてそのまま帰って行った


夕食

旦那様と奥様は

じっと和也様を見てらっしゃる


「父上、母上、どうしたのですか?」

「和也が生まれて、
初めて怒ったところを見た・・・」

「私もです♪逞しく育っていますね♪」

「僕だって言う時は言うんです」

「主に智の事で。ですね♪」

「っ///」

「自分の事には無関心なのに
智の事になると・・・ふふふ♪」

はっ、母上っ///」

「この分だと大丈夫そうですね、あなた♪」

「ん?」

「年を越したら
和也の元服の儀をしましょう♪」

「そうだな♪」

「本当ですか♪?!」

「和也にはまだ早いのではないですか?」


そう言ってきたのは京也様

昼間のひと悶着はご存知ない

旦那様と奥様が仰っても

和也様の変わりようを信用してないようだ


「いや、私から見ても
和也はしっかり成長している♪」

「ならば、大人の仲間入り。
という事ですね?」

「そうね♪」

「でしたら
もう奉公人は必要ないのでは♪?」

「ぇ・・・?」


京也様ならそう仰ると思った

祭りで男達をけしかけたのは

京也様だろう

俺を追い出す為

だが上手くいかなかったのに

落ち着いてらっしゃるのは

次なる手があるから


「智がここに来てもう8年か」

「月日が経つのは早いものですね♪」

「もう和也にお守りはいらないでしょう♪?」

「そうだなぁ・・・」

、父上っ」


どこか

別の場所で働くことになるのだろうか?

和也様の傍を

離れることになるのだろうか・・・


「なぁ由良」

「はい♪」

「そろそろ智には
給金をと思っているんだが、どう思う?」

「適切だと思います♪」

「父上ッ?母上ッ?」

「智、お前は本当によくやってくれている
ここに来てもう8年。手代に昇格しよう♪」

「ぇ?」


手代とは

奉公人は最初は丁稚と呼ばれ

年季奉公が終わると

手代に昇格し給金が出

責任のある仕事を任される

・・・もはや今がそうじゃないか??


「遅いくらいですけどね♪」

「いや、本当にそこに関しては申し訳ない
和也の世話を第一の仕事にしていたが為
なあなあになってしまっていた。
店の事も手伝ってもらってるというのに」

「もう少し早くそうすべきでしたのに」

「智、遅くなってすまなかったな。
今までの手当は
きちんと給金として渡すから
安心して欲しい♪」

「ありがとうございます」

「元服迎えるなら
もうお守りはいらないでしょう?
和也のこれからの為にも
奉公人は引き離すべきでは♪?」


「それもそうだなぁ」

「ち、父上っ?」

「由良はどう思う?」


旦那様の言葉に

京也様と和也様は過剰に反応を示した


「そうですね~、良いと思います♪」

「ふ♪」

「はっ、母上までっ!」

「和也、これからはー」

「嫌ですッ!智はっ
僕のそばに居てくれないとッ!!」


『・・・和也??』


思わずついて出た言葉に我に返り

和也様は部屋を出て行き

その後を京也様が追った