大宮妄想です
自己満足の世界です。
皆さんのイメージと異なってもスルーしてください。

文章は拙いですが気にしないで下さいませ。



『ただいま帰りました』


店が営業中に帰ることができ

旦那様と奥様は喜んで出迎えてくれた


「おかえりっ!和也、大丈夫だったか?」

「はい♪とても楽しかったです♪」

「2人ともおかえりなさい♪
智、ご両親はお元気だった?」

「はい。父も母も元気でした。
暇をいただきありがとうございました。
店番致します」

「今日くらい休みなさい♪
智も和也も疲れているだろ?
なぁ、由良♪」

「はい♪今日は2人とも
ゆっくりしていなさい♪」

「はい♪」

「ありがとうございます」


その日の夕食の時間

和也様は俺の家で過ごしたことを

楽しそうにお話をされた


「和也が、魚をっ?!」

「はい♪沢山とったよね?」

「はい。覚えが早くすぐに要領を掴み
何度も捕まえておりました」

「まあ♪和也が♪」


和気あいあいと話をしている中

京也様だけは

面白くなさそうな表情をされている


「奉公先の主に
魚捕りや畑仕事をさせるとは
分を弁えておらぬのでは?!」

「和也の急な訪問にも関わらず
快く受け入れて下さった事は
感謝しかない♪」

「そうですね♪
智、ご迷惑ではなかった?
ご両親とゆっくりお話できた?」

「はい。ゆっくり話をしました。
よく食べ、よく動く和也様のご様子を
両親は楽しそうに見ていました」


『和也が?』


「僕、凄く体力ついてますよ♪
ご飯もいっぱい食べて、魚とったり
川遊びしたり、山菜採りもしました♪
凄く楽しかったです♪」


和也様が楽しそうに話すお姿を

旦那様も奥様も嬉しそうにご覧になる



「ふん!
商人の息子にやらせる事かっ?!」

「京也、和也の体を心配しての事だろうが
そうつっかかるものではないぞ?」

「和也が
こんなに楽しそうに話をするなんて♪
今はまでありませんでしたものね♪」

「そこでなんですが、父上、母上!
僕、お祭りに行ってみたいです♪
そろそろ行ってもいいですかっ♪?」


旦那様と奥様は顔を見合せ

笑顔になり


『行っておいで♪』


そう仰った

初めて会った時に

和也様は祭りに行きたいと仰っていた

ようやく、その願いが叶う

長い距離を歩いてきたその夜

和也様は大興奮されていた

風呂の時も寝る時も

祭りの話をしている
 

「僕、お祭りで何食べようかなぁ♪
ねぇ、何があるかなぁ♪?」

「美味しいものがあるといいですね」

「智も行くんだよ?」

「お供いたします」


祭り当日

和也様は朝から浮き立っている

食事の支度も洗濯も掃除も

いつも以上に動きが速い


「和也ったら、お祭りが楽しみなのね♪」

「わかりやすいな♪」

「智、智♪」


奥様に呼ばれ行くと

和也様と一緒に買い出しを頼まれた


「かしこまりました」

「お祭りの準備を見た事がないから
きっと喜ぶと思います♪お願いね♪」

「はい」


籠を持ち和也様と店先に出ると


「あら♪智さん、素敵な籠ね♪」

「いらっしゃいませ。橘様」

「その籠、こちらに売っているもの♪?」

「これは智のご両親が作った籠なので
売り物ではありませんよ♪」

「智さんのご両親の手作りなの?
素敵ね~♪」

「ありがとうございます。
失礼致します」


和也様が提案して下さった籠を

両親は俺の為に作ってくれていた

軽くて丈夫で持ちやすい

店のお客様の目に止まるとは思わなかったが


「智って、皆に好かれているよね♪」

「私が、ですか?」

「弱音も吐かないし
仕事は何でも頑張るし
勉学も武道も凄いし♪」

「旦那様と奥様のご厚意を
無下にしないようにしているだけですし
奉公人ですから、頑張るのは当然です」


ここら辺の方は

俺が二宮家の奉公人だとご存知だ

店番をしていると

優しく声をかけてくださる方が多い

特に商人の家では印象は大事

奉公人と言えど

お金を扱う店番まで任せていただけるとは

思わなかった


「智が頑張っている所
皆ちゃんと見てくれてるんだよ♪」


・・・あれからも、和也様は変わらない

風呂も一緒

寝る時も一緒

常に俺と一緒にいる

藪入り前では

京也様は和也様の行動を把握していた

どこから見られているかも分からない

いつも通り過ごすのは当たり前

こうなることは分かっていたはず


町は祭りの準備で賑わっている


目を輝かせ

その様子を嬉しそうにご覧になる和也様

ふと目についた

ガマの油・・・

これがあれば和也様とー

ッ、いやいや!何を考えているんだ!


「・・・」

「智、どうしたの?」

「ぃえっ・・・」

「ガマの油?欲しいの?」

「そういう訳ではっ
ただっ、見ていただけです」

「ふ~ん・・・」


俺のこの邪な考えは

あれから出せていないからかもしれない

唯一出せる風呂には和也様がいらっしゃる

・・・和也様はどうしてらっしゃるのか?

そういう気は起こらないのだろうか?

かと言って聞けるわけもない


「1個下さい♪」

「毎度ありぃ♪」

、和也様?」


夕方になり祭りに出かけると

和也様はいの一番にガマの油を購入された


「僕も欲しかったの♪」

「そ、そう、なんですねっ」


何に使われるんだ??

それから店を周り食事をし

売っている品を手にとっては

物珍しそうに目を輝かせた


「これ、智とお揃いで持ちたいから♪
はい♪」

「ぇ?私にっ、ですか?」

「うん♪」


奉公人は日々の生活で

養っていただいているため

金を持っていない

和也様が購入されたのは

巾着に入った鏡

武士などに贈られるというのは

聞いた事がある


「何故、私に鏡を?」

「この間の人攫いのような者達に襲われた時
智の身を守ってもらうため♪
2つ買ったのは、僕が、智と同じものを
持っておきたいから///」

「和也様・・・」

「僕を守ってくれる智を
僕も守りたい///」

「っ///」


周りに人が沢山いるこの中で

和也様を強く抱き締めたい

それも叶わない俺の立場

その衝動を堪えた・・・っ


「嬉しいです♪ありがとうございます♪
大事にします♪」

「うん///♪」

「ですが、私は何も
返せるものがありません」

「そんなつもりじゃっー」

「なので、この身をもって
和也様のおそばを離れず
必ず守ります」

「智///」

「お約束します」

「僕の傍に、ずっといてくれるの///?」

「はい」

「わっ!」


祭りで人が混雑している中

行き交う人で和也様の体は押され

俺の方に寄りかかってきた


「大丈夫ですか?」

「っ、、大丈夫///」

「人の少ない方へ寄りましょう」

「ぅ、うん///」


あれ以来久しぶりに和也様に触れ

体の熱が一気に上がった

抱きしめたい

口づけをしたい

直接肌に触れたい

あの日のように

和也様を抱きたいっ!

心の臓が早鐘を打つ

人気のいないところに行くと

その衝動が強くなると確信し

なるべく人のいる所で隅の方に避けた


「・・・」

「・・・///」


和也様も同じだと感じる

頬を赤く染めて瞳は潤んでいる


「和也様、次はどこへ行きましょうか?」

「っ、そ、だねっ、ぇ、っとー///」


和也様の答えを待っていると

数人の男が絡んできた