大宮妄想です。
自己満足の世界です。
皆さんのイメージと異なってもスルーしてください。
文章は拙いですが気にしないで下さいませ。




着いた先は

こじんまりとした病院

中に入り診察室に通された


「そこの椅子に座れ」

「・・・」


袋をガサガサ開け

出てきたのはビールとスルメ

こんな遅くにコンビニ行くって

よっぽどビールとスルメ

食べたかったんだなぁ・・・


「お前、名前は?」

「二宮、和也、です」

「俺は大野智。見ての通り医者だ。
鬼のお前が
鎮静剤を持ってないのは何でだ?」

「普通の人間として暮らせるようにって
両親からは何も教えてられなくて」

「よく生きてこれたなっ?!
鬼になった時どうしてた?」

「赤ん坊の時だけ以来で
それからは1度も・・・だから
今日が初めてです」


大野さんの口から

スルメがポロッと落ちそうになった


「初めて?!・・・
中々稀なケースだな・・・」


それから大野さんは教えてくれた

使い捨てのように使われた昔とは違い

力のコントロールの仕方等

鬼の研究が行われている

鬼に手を出すと警察に捕まる

鬼を見つけたときは

すぐに警察に通報し

研究所に引き渡すのが

国民の義務なんだと

もちろん鬼自身が自ら進んで

研究所に行くケースもあるらしい

中には警察の網を掻い潜って

鬼を売買をする人間もいる為だ

だけど

警察から研究所から

鬼を探すようなことはしないらしい


じゃあ俺も研究所に? 

やだな・・・

しばらく黙ってると

誰か来た


「おーい。大野、いるか?」

「何だ。こんな遅くに」

「さっき通報があって
鬼が出たって。お前知らない?」

「俺、一杯やってんだけど?」

「見りゃわかる。こちらは?」

「ぁ・・・っ」


どうしよっ


「新しい助手」

「・・・ぇ?」

「へぇ♪可愛い顔♪初めまして♪
警視庁刑事部の山瀬です♪」

「にっ、二宮、です」


俺の顔をじっと見たあと

ふっ、と笑った


「じゃ、情報あったらよこせよ」

「へーへー。おい、今日の人数は?」

「お前、いっつも情報だけ
もらおうとするよな・・・・」

「報告」

「52人」

「希少は?」

「いない。じゃ、
二宮さんおやすみなさい」

「ぁ、おやすみなさい」


山瀬さんが帰ったあと

しばらくぼーっとしながら

スルメを噛んでる


「52・・・か・・・」

「あの、それって・・・」

「鬼が研究所に送られた人数」

「そ、んなにっ」

「多いからな」

「・・・あの、俺もっ、そこに?」


俺の問に直ぐに答えず

少し天井を仰いだあと

俺の方をまっすぐ見て答えた


「研究所には行かないほうがいい」

「でもっ、そしたら大野さんがー」

「俺の心配はいらん。それより二宮」

「は、はい」

「お前が鬼になる条件は知ってるのか?」

「条、件?・・・いえ」

「鬼が変化する条件は感情だ」

「感情・・・」


喜び、悲しみ、怒り、そして恐怖

この4つに分けられるらしい


「お前は恐怖だ」

「恐、怖・・・」


確かにさっき襲われた時

怖かった・・・っ

今まで

周りと距離をとって生活してたから

俺自身、自分の事がわからないのに

大野さんは医者だから詳しいのかな?

それとも俺が知らなさすぎ・・・?

大学生になって

初めて知る事が多すぎる


「二宮」

「は、い・・・」

「しばらくここで働くか?」

「えっ、で、でもっ、迷惑じゃー」

「お前、鬼に変わると
さっきみたいに襲われるぞ」

「ッ!」


それは嫌だっ

あんな怖い思いっ


「げッ!こらっ、変わるなッ!」


ふと横のガラス棚を見ると

鬼になる自分の姿を初めて見た


爪がっ、牙がっ、目がっ


「ッ!こんなのッー」

「自分の姿に怯えんな!
ほらっ、落ち着け、ッ!」


大野さんはぎゅっと俺を抱きしめてきた

爪も牙もあるのにっ


「大野さんがっ、怪我ー」

「んな可愛い牙で怪我するかっ。
それより、早く落ち着け、ッ。
自分の身を案じろッ」


だっ、だからって、どうして

抱きしめてくるんだろっ

にしてもっ、力が強いっ


「ぉ、大野さんっ、く、るしっ」

「悪いっ、こんな不意に来るとはッ
手、離したらっ、やばいっ」


耳元で聞こえる大野さんの声

静かな声なのにっ

焦りが交じる、興奮が交じる

そしてなんかっ

中心が硬ー・・・っ///

その事実に

急に恥ずかしくなってきて

恐怖心よりも羞恥心が湧き上がってきた


「・・・っ///」

「悪いっ・・・俺のせいじゃないけど」

「・・・いえ///

「お前のフェロモン、エロいな」

「・・・///」


自分じゃどんなのかわからないけど

さっき会ったばかりの大野さんが

男の俺に、こんなに反応してるのは

やっぱり、この姿の、せい・・・かな///

横のガラスを見ると

まだ鬼の姿

戻るのに少し時間がかかるのかな

俺を抱きしめる大野さんの腕が緩み

ゆっくり離れた


「・・・はぁ。鎮静剤も打てるけど
打ちすぎると体が馴れて
効かなくなってくる。
できるだけ自分で抑え込む方がいいんだが
今日初めて鬼に変わった二宮には
訓練が必要だ」

「訓、練?」

「自分を追い込んで鬼になり
元に戻れるように訓練するんだ」

「・・・元に、戻れない時、は?」

「自分で鎮静剤を打て。
最初は弱めの鎮静剤から始める
やってみるか?」

「でもっ、どこでっ?」

「ここに地下がある。
そこなら二宮のフェロモンに
当てられる事はないはずだ」


・・・地下

この人を信用していいのかな

鬼に手を出せば警察に捕まり

鬼は体質改善の研究に協力する為

研究所に行く

だけど

鬼を探すようなことはしない


・・・なんか、矛盾してない?


鬼を見つけた時は

警察に通報するのが

国民の義務って言ってたよね?

国民の義務にしてるのに

研究所が探さないのはなんで??

それに

大野さんの

「行かないほうがいい」って言葉

ほんとに体質改善の研究?

じゃ、大野さんの意図は?

警察に知らせず

研究所に行くなと言う

ここで鬼から人に戻る訓練をって


「・・・大野さんは
どうして、そんなに
親身になってくれるんですか?」

「医者だから」


当たり障りない答え・・・


でも、公園で助けてくれたし

さっきも鬼に変わっても

大野さんは俺を襲ってこなかった

鬼になった以上

今日みたいな事があって

もし鎮静剤がなかった時

自分の身は自分で守らないと


「・・・やって、みます」


そう言うと

大野さんは

今日はもう遅いからって

泊めてくれた