大宮妄想です。
自己満足の世界です。
皆さんのイメージと異なってもスルーしてください。
文章は拙いですが気にしないで下さいませ。






「よぉさぁぁぁくぅぅがぁ、木ぃぃをきぃるぅぅぅ、へいへいほぉぉぉ〜へいへいほぉぉぉぅ♪」


『引っ込めオヤジ!』

『古いぞ!引っ込め!』


『なにおぅ!!!!!』

「あ〜うるさ・・・」

「そう言うなら櫻井が止めてこいよ・・・」

「止めたら止めたでうるさいよ?うちの組長は」


いつの間にか始まったカラオケ大会

両組長がデュエットしてる

中々見られない光景だな・・・


「ニノ酔った?」

「ううん。大丈夫♪」

「そう?」


の割には大野さんにぴったりくっついてる

大野さんは全く気にせず

むしろ周りの方がチラチラと・・・


「若頭!お酌します!どうぞ!」

「ああ」

「和也さんも、どうぞ♪」

「あ、ありがとうございます♪すみません、俺、お酌できなくて」

『いえッ!とんでもありませんッ!』

「いただきます♪」


ほろ酔い状態だと思うんだけど

顔が赤くなってる


「和也。無理するな」

「大野さん、酔いました?」

「いや」

「でも、何だか体が熱いですよ?」


そう言いながら大野さんの頬を触る


『・・・』

「熱いのはお前のほうだろ」


大野さんはニノの首筋をスッと撫でた


『・・・』

「そうですかぁ?おかしいなぁ♪大野さん、お酒はよく飲むんですか?」

「いや」

「そうなんですね♪俺と一緒ですね♪」

「そうだな」


ずーっと大野さんの方に顔向けて

ニコニコしながら話して

大野さんの表情も柔らかいような・・・

そんな中


「おぅ♪和也♪」


出来上がったオヤジ二人が来た


「はい♪」

「どうだぁ♪うちの和也だぁ♪」

「ほぉ〜♪大野を助けたっていうカタギかぁ♪おれぁ、岡田組 岡田勘治だぁ♪」

「ぁ、初めまして。二宮和也です♪」

「・・・・・おい。和也」

「はい?」


何故に岡田の組長まで名前で呼ぶんだ?


「お近づきの印にパパと呼ー」

「ふざけんなッ!」


バシッ!


「いッてぇなぁ!こらぁ!」

「俺だってまだ呼んでもらってねぇのにー」

「いいじゃねぇかッ!減るもんじゃねぇだろッ!」

「減るだろッ!優越感が減るッ!」

「てめ、何言ってんだッ!独り占めすんなッ!」

「うるせぇッ!てめぇは昔っからそうなんだよッ!あの時だってー」


・・・うるせぇ

なんで大野さんも櫻井さんも止めないんだろ

酔っぱらいだからか??

ニノはオヤジの方に顔を向け

ぼ〜っとしてる?


「ニノ?」

「あのっ」


『ん?』


「パ、っ」


ニノが発すると同時に


『呼ばなくていい』


大野さんと櫻井がニノの口をふさいだ


「智ッ!」

「櫻井ッ!てめぇッ!」

「組長、ほらちょっとあっち行っててくださいよ。暁組長と変わらないウザさですよ?」

「源ちゃんと一緒にすんなッ!」

「こら勘治!てめぇ、どういう意味だ!おい櫻井ッ!お前今何つった?!」

「二人であっちで好きなだけ与作歌ってて下さい」


二人そろうと余計にウザいな・・・


「ニノ〜、オヤジさんの事、気にしなくていいからねぇ♪」

「でも、ずっと言われるからー」


『いやもう、キモいから』


「そう?ね、相葉君は何飲んでるの?」

「俺、ウイスキー♪」

「そんなの飲めるの?凄いね♪松本君は?」

「ワイン」

「何か似合うね♪大野さんは?」

「焼酎」

「ふふふ♪渋い♪櫻井さんは?」

「櫻井もワイン」

「へぇ♪松本君と一緒だ♪」


ニノは梅酒

喋りながら飲み交わしてると

『あのッ!』


若衆達が来た


「若頭っ!あの、俺らも和也さんと飲んでもッ、いいでしょうかッ?!」

「無礼講だろ」


『・・・やったッ♪』


ニノの周りに若衆らが集まってくる

何故か岡田組まで・・・


「潤」

「はい」

「風に当たってくる。頼んだぞ」

「はい」


大野さんはそのまま大広間を出た














ふぅ・・・

大人数はやはり苦手だ・・・


「お〜い♪」

「櫻井。オヤジ達はどうした?」

「武勇伝聞きたいです♪って言ったら、饒舌に昔話を始めた♪チョロい♪」

「オヤジらの扱いが上手いな、お前は」

「褒め言葉として受け取っとく♪二宮さんは若衆に任せてきたのか?」

「アイツらが和也の飲みたいと言ってきた」

「酒入ってんのに、心配にならないのか?」

「潤に任せてきた」

「なるほど♪」


こんなに長い時間酒を飲むのも久しぶりだ

若い頃は飲んだくれてたが

若頭になってからは量は飲まなくなった

狙われることも多い

気が抜けない

そう言うと

コイツにはそばに人を置けと言われそうだが

それも面倒くさい

俺が強くあればいいだけのこと

だが、和也をそばに置いてることは

人をそばに置くことを

面倒くさいと思っている事と

矛盾してるんだろうか


「なぁ?知ってたのか?二宮さんが剣道してるって」

「ああ。相葉から報告を受けていたからな。それより何故お前が知ってる」

「俺も相葉から今日聞いた♪喫茶店での二宮さんには驚いたよ。見えないのに、相手の攻撃受けるとか。お前の為だそうだな」

「・・・」

「健気だねぇ♪マジで」

「・・・お前、和也が好きなのか?」

「はは♪それ今日松本にも言われたけど♪いや、そんなつもりなかったんだけど、さ♪」


笑いながら言ってるが

目の奥は笑っていない


「・・・何か思い出したか」

「・・・ああ」


こいつも過去に何かあったんだろうと思う

暴力団に入るなんてのは

大概が何かを抱えてる奴が多い


・・・相葉は違うが


「あの短い時間で何を思い出した」

「俺が見ていたものの、裏側・・・かな」









俺の家はそれなりの裕福な家だった

親父は会社を経営し順風満帆

母親は親父に従順

それを長い間見てきたから

当たり前だと思ってた

でもいつしか親父は外で女を作り

家に帰ってくる日が減った

母親も最初は従順だったが

徐々に服も交友関係も派手になり

毎日楽しそうで親父は何も言わなかった

お互い充実してる毎日

俺もただただ家に寝に帰る日々

家族と過ごした時間なんて忘れた

母親は色んな男をとっかえひっかえ

中には暴力団の幹部まで

こっちがポカをやらかすとあっちに寝返り

またあっちがポカをやらかすと鞍替えする

母親が暴力団と繋がってる事がわかり

親父の会社は株が崩落し倒産したのち自殺

母親は薬に溺れあっけなく死んだ

俺にとってはそれが家族だった

それが夫婦の形で親子の形

それが普通だった


だから最初

大野がカタギを傍に置いてると知って驚いた

そばに人を置くなんてしなかった大野

どうせそのカタギも俺の母親と同じだろうと

でもその人は盲目で

俺達の仕事柄邪魔になる存在じゃないのか?

だが、若衆同士のいざこざで

大野は二宮さんをかばい怪我をした

そして大野から距離を置いたことも知ってる

だけど、二宮さんは大野を探し

今でもそばにいる


「ただ、そばにいれれば」


例え家族が巻き込まれても

大野のそばにいたいと言う

そんな人間この世にいるのか?

相手は暴力団幹部だぞ?

皆我が身が可愛いはずだろ?

欲を満たせばそれで満足だろ?

俺や大野の周りにいた女は皆そうだった

金と地位に寄ってくる

抱かれれば我が物顔で寄ってくる

所詮人間なんてこんなもんだ


ただ二宮さんには

そんな考えが当てはまらなかった・・・