大宮妄想です。
自己満足の世界です。
皆さんのイメージと異なってもスルーしてください。
文章は拙いですが気にしないで下さいませ。




暁邸

『はぁ・・・』

「飯が不味くなるだろうが!」

『す、すいやせんッ!』

 
ニノが退院してからもう半年・・・

最初のうちはすぐ戻ってくるッ!

そう思ってたけど全然連絡なくて


大野さんは全く変わりなく・・・


ただ、潤には連絡してるみたい

色々とニノの相談にのってるんだって


「ニノ、元気だったぞ。落ち着いてから連絡するってさ」


そう言われたらさ

こっちから連絡しづらいじゃん!

早く戻ってこないかなぁ・・・


『はぁ・・・』

「こんのクソどもがぁッ!さっさと飯食って仕事行けッ!」

『すんませんッ!』


皆もなんか元気ないんだよね〜

皆、入院してから会ってないもんね〜

あ〜あ、ニノと遊びたいなぁ・・・









「松本君♪」

「お、ニノ♪いつも悪いな」

「ううん」


退院してからのニノは

検診の他にある事に協力してもらってる

最初は仕事の事について相談を受けた


「市役所とかに、相談したほうがいいのはわかるんだけどー」

「いや。むしろ有り難いよ。経験者がいると患者さんとの会話もしやすいし♪」

「忙しいのにごめんね」


そこから始まって

全くのイチからの相談だったから

何にも決まってなくて

ニノに何ができるか聞いた


「教師してたけど、最低限の知識はあっても、やっぱり教えるとなると・・・」

「ん〜なんか得意な事は?」

「ん〜、簡単なのならピアノとか」

「えっ?!ピアノ弾けんの?!」

「全教科請け負うからね。一応」

「あ、じゃあさ、やりたい事決まるまでさ、ちょっと手伝って欲しいことがあるんだけど♪」

「え?」


うちの病院で

病児教室をしようかって事案が持ち上がってて

医者がする方が今後の治療にも

いい影響与えるんじゃないかって

話は出てたんだけど

小児科医が少ないのもあって中々難しく

なら雇うしかない!って話もでたんだけど

そこと連携するのもなんか大変かなぁとか

ゴネて

中々話が進まず・・・

そこで週に1回ニノに

音楽教室を手伝ってもらった

最初は子供達皆緊張してた

でも病院内に子供の明るい歌が響き渡ると

医者や看護師も釣られて歌ったりして

皆楽しそうにしてて

小学校の教師をしてたせいか

ニノの性格なのか

子供との接し方がうまい♪


「今日は何がい〜い♪?」

『たなばたさま〜♪』

「あ〜もうそんな時期か〜♪いいよ♪」


ってな感じで音楽教室を手伝ってもらってる

ニノの両親から聞いたんだけど

電子ピアノ買って家で練習してるらしい


「久しぶりに弾くなぁ♪」


って楽しそうにしてるって


「ねぇ。和也先生?」

「ん?」

「先生は七夕になんのお願いするの?」

「先生は、皆の病気がー」

「先生のっ!お願い事っ!」

「え〜何だろう・・・?」

「七夕は織姫様と彦星様がやっと会える日なんだよ♪先生は会いたい人いないの♪?」

「会いたい、人・・・」

「私、ケンタに会いたい♪」

「好きなコ?」

「うちで飼ってる犬♪」

「そっか〜♪早く会いたいね〜♪」

「もう短冊に書いたよ♪」

「願いが届くといいね♪」

「うん♪」


会いたい人か・・・

あれから会ってないらしいし

時々ニノの様子を大野さんに伝えるけど

「そうか」

ってだけで何も聞いてこない

ニノも大野さんの事は聞いてこないし

二人はどうなってるんだろうなぁ









「なぁ。ニノ」

「ん?」

「大野さんに会わないのか?」

「・・・」

「あの人、いつ死ぬかわかんねぇぞ?」

「ぇ・・・どっか、悪いのッ?!」

「そうじゃなくて、あの時みたいに、いつ狙われてもおかしくない立場だぞ?もし、今日撃たれて、明日死ぬとかになったら、ニノは後悔しない?」

「でも、俺、まだー」

「釣り合いとか考えるなよ?逆に大野さんのほうが、恐れてると思うよ?」

「ぇ、どういうー」

「ニノをそばに置いとけばいつか自分のせいで死ぬかもしれないって」

「そんな事・・・」

「あったんだよ・・・昔。そういう事が」

「え・・・?」


話してもいいよね・・・?

大野さん・・・











「お母さん、が?」

「そう・・・」


だから大野さん

俺への接し方が自然だったんだ


「そんな、事が・・・」

「いつでも会えると思うのは、違うぞ?医者やってたらそういう人は沢山見るよ・・・ある日突然倒れて、そのまま還らぬ人になったり、朝、いつもと同じようにでかけたのに、二度と帰ってこなかったり・・・大人も子供も関係なくね・・・」

「松本君・・・」

「俺はそれを昔実感した・・・だから、後悔してほしくないんだ。ニノが今頑張ってる事は大野さんのそばにいても、できる事だろ?」

「・・・うん」

「なら、大野さんのそばにいてやってほしい」

「・・・俺で・・・・・いいのかなっ・・・こんな、俺でっ・・・」

「こんな、とか言うなよ。雅紀だって、暁の若衆達だって会いたがってるんだぞ?」

「そ、なの?」

「ニノは大野さんに会いたくないのか?」

「・・・会いたいよ・・・・・毎日、そう、思ってるっ・・・」

「なら会いに行けよ。これからは大野さんのそばで頑張れよ。ニノには後悔しない選択をしてほしいんだ」


松本君・・・









それから色々とうじうじ考えてしまって

時間は流れ暑い季節になった

今更どんな顔して会えばいいのか


今日は七夕


織姫様と彦星様がやっと会える日、か

大野さん、俺のこと忘れてないかな?

ちゃんと仕事できるようになるまで!

なんて思ってたのに

まだまだ先なのに

それまで来ないって決めてたのに

来ちゃった・・・

大野さんと出会った公園

何だか人の声が多いな

男性と女性

今日七夕だから恋人同士かな?

そんな中、男一人とか・・・

大野さんがいつも座ってたベンチ

空いてるかな?

人多いから空いてないかも・・・

どのベンチからも人の声がする

空いてないかな・・・?

暫くしてから

白杖がコツンと当たった

ぁ、誰かいる

手で探ると片方空いてた


「あ、ごめんなさい。隣いいですか?他、空いてなくて・・・」


なんか大野さんと会った時も同じ事ー


「どうぞ」




この声・・・・・