大宮妄想です。
自己満足の世界です。
皆さんのイメージと異なっててもスルーしてください
文章は拙いけど気にしないで下さいませ






気を張り詰めた毎日

自分で選んだ道だから後悔はしてない

だが、ふとこんな時間が欲しくなる

何も考えずに過ごす時間


お気に入りとまではいかないが

いつも行く場所がある

自宅近くにある静かな公園

緑が多く

何も考えずに過ごす場所にはいいところだ

そして決まって同じベンチに座る

どこでもいいんだが

一度座るとなんとなくそこに足が向く


今日は天気もよく

気温も調度いい

頬を撫でるようなそよ風が気持ちいい

いつものように目を閉じ何も考えずにいた



暫くすると足に何かが当たる


「あ、ご、ごめんなさい。あ、あの隣いいですか?他、空いてなくて・・・」


見ると先日の青年だった



「どうぞ」



青年は椅子に腰掛け

「ふぅ・・・」と息をつく


俺はまた目を閉じ一人の世界に入った

暫くすると青年が


「あ、あの、間違ってたら、ごめんなさい。あなた、先日俺を助けてくれた人、ですか?」


目が見えないはずなのに

なぜ俺だとわかったのか・・・


「・・・なぜだ?」

「声と空気で・・・」



声はわかるが

空気とはなんだ?


「空気?」

「あ、あの、声が一緒だなって思ったのと、纏ってる空気感、というか、雰囲気が同じなのに今日はすごく柔らかいなって・・・同じ人か気になって・・・」


空気・・・雰囲気・・・

どんな風に感じるんだ・・・?


「そんなに違うか?」

「はい。違います。今日は穏やかです。先日は張り詰めた感じでした」


そうだな・・・

今日は何時もみたいに張り詰める必要もない

俺は黙ってまた目を閉じた


それからも何度か公園に行くと

その度に青年に出会った

俺が座るベンチの隣に腰掛けて話しかけてくる

俺は静かに聞いてたまに相槌をうつくらいだ

何がそんなに楽しいのか

青年はいつもにこにこしていた



お互い名前も知らずにたまに話すだけ

その関係を変えたのは青年だった


「あ、あの、名前、聞いてもいいですか?俺、和也。二宮和也って、いいます」

「・・・大野だ」

「大野さん。やっと名前が知れました♪」


その後も何度か言葉を交わしていると

時間がきた


「時間だ」

「帰るんですか?」

「ああ。またな和也」


俺が名前を呼ぶと嬉しそうに


「はい♪大野さん」


そう笑顔で答えた











また会えた・・・///


初めて出逢ったあの日から

彼の声がずっと耳に残ってる

俺を助けてくれた優しい人

声とあの人を纏う空気には威圧感がある

でも彼の声に寂しさと優しさを感じた

その声が忘れられなかった


そして

あの日偶然通った公園で

また、あの人に出逢えるなんて///


「どうぞ」


この一言であの人だとわかる

違うのは纏う空気

今日はとても穏やか

きっと表情も穏やかな顔をしてるんだろうな

俺は彼に会いたくて毎日公園に通った

でも彼はたまにしか来ない

忙しいのかな?

会えなかった日は気持ちが沈んだ


会えた時は

いつも俺の一方的な喋りに

黙って静かに聞いてくれて

たまに言葉を返してくれる


俺はそんな時間が嬉しかった


何度か会って話をしたけど

一度も聞けない名前・・・


今日こそは!

今日こそは!!


だけど勇気が出なくて・・・

日が経つにつれどんどん聞きづらくなる

でもどうしても名前が知りたかった



勇気を出して聞いて

教えてもらえたときは嬉しかった

でも

俺の名前を呼んでくれたときのほうが

何倍も嬉しかった///



「またな。和也」



今度はこの声が耳に残った///