高3が引退した。
去年の引退式からもう1年たったのか。
毎年、同じ感想。

 

この代はどちらかというとおとなしいイメージだった。
やる気が前に出てこない。
つまらなそうな顔をしているな……と。
どの代にも一人、二人はいる。
でも、この代は何人もいた。

つまらなそうな顔をしているからといって、つまらない思いをしているとは限らない。
やる気が前に出てこないだけで、やる気がないわけではない。
10年以上コーチをしていて、これだけははっきりわかる。
部活にいるということは、何かしたいのだ。

 

この代は最高学年になってから徐々に変わった。
自分の仕事に責任を持つようになった。
毎年、大会の規定の問題や複雑な書類の提出で、遅れたりミスがある。
この子たちはそれがなかった。
各セクションごとにちゃんと管理してくれていた。
信頼のできる仕事ぶりだった。
大会の番組制作、個人種目、それぞれが努力してくれた。
この代は下手くそがいっぱいいた。
気がつけばみんなよくなっていた。
引退するときに、声の小さい子は一人もいない。
人前で話しができない子はいない。
今年もそれぞれが後輩を前にいい挨拶だった。

 

なんとなくはわかっていたけど、想像以上に最初の1年は仲が悪かったらしい。
「私は○○がキライで」「○○が怖くて」「○○とは口を訊いたことがなくて」
と、今はケラケラと笑って話せる間柄になっている。
クラスでは大勢の中で気を遣うことは多いだろう。
我慢しながら協調することもあるだろう。
でも、部活ぐらいは言いたいことを言った方がいい。

 

高校総合文化祭の全国大会への出場は決まっている。
でも、やっぱりNHK杯の全国大会に進めたかった。
高3からもらった手紙にはそれを謝る内容が多かった。
あなたたちが悪いわけても、劣っているわけでもない。

手紙には
『うれし泣きや、くやし泣きをするほど熱中できることは今までなかった』
『一生懸命やることはカッコ悪いと思っていた。こんなに気持ちのいいことだと思わなかった』
と、いう内容も多く書かれていた。

 

みんなおつかれさま。
放送部に入ってくれてありがとう。

大学受験がんばれ!