リサside
こばの言葉の意味を理解するのに少し時間がかかった
「私、弱いから…こばの事守れなかった…こばの事守れる強さがまだない…」
「強いってなに?リサの言う強さってなに?」
「え?どんな言葉にも傷つかないとか屈しないとか」
「そんな人いないよ。誰でも心無い言葉には傷付くよ。表に出してるか出してないかだけ。一言で泣いてしまう人もいれば何度か言われ続けてるけど人前で泣けなくて家で泣いてるって人もいる。人はみんなそんなに強くないよ。支えてくれる人がいてくれるからそこにいられてる。その支えが私はリサだった…」
「…」
「自分が弱い事知ってて向き合ってる時点でそれは強さじゃないのかな?ちゃんと弱さと向き合って、弱い所受け入れようとしてる所私は強いと思うよ。それに私守って欲しいなんて言ってない」
「言われてないけど私が守りたかった…でも何も出来なかった」
「守るために別れを選んでくれたんでしょ?」
「それしか方法が思いつかなかった」
「気持ちわ?」
「気持ち?」
「うん、リサの今の気持ち。私に対しての」
「…」
「好きか嫌いか」
「嫌いじゃない」
「そっか、よかった」
こばはそれ以上は踏み込んでこなかった
このままではよくないとわかっている
わかっているけどなんて切り出せばいいのか…
好き
その言葉が言えなくて
天邪鬼な性格が邪魔をする…
「それだけ聞けたら十分。リサもう遅いから帰った方がいいよ。私はもう大丈夫だから。熱もだいぶひいたしあとは1人で大丈夫」
こばは私の背中を押して玄関へと向かわせる
「ホントに?ゆい、すぐ無理するから心配なんだけど」
「…」
「ゆい?」
私は何も言わないゆいの事が気になり後ろを振り向く
こばはなぜか目に涙を浮かべていた
「え!?どうしたの!?」
「リサが不意に名前呼ぶから…懐かしさと嬉しさが」
「それだけじゃないよね?」
「…」
黙って私はゆいを抱きしめた
由依side
リサに抱きしめられ、閉まっておいた想いが爆発した
「リサはズルいよ…何度も何度も忘れようとした。私が悪いって。知らないうちに私嫌なことしてたのかもって…ふーちゃんから話聞いて自分の事責めた。いつでもリサは私の事考えてくれてた。私があの手紙さえ気にしてなかったらって。後悔してもしきれなくて、別れたくなかったよ、そばにいて欲しかった…そばにいたかった…」
リサはそっと私から離れた
「ゆい…ごめんね」
もうその言葉聞きたくない
再びリサを後ろに向かせる
ダメだ…泣いちゃう…
「今日は帰って…明日からはちゃんと仕事行くから。ありがとうね」
少しはリサの事忘れれたと思ったのにまだこんなにも好きだったんだと思い知らされた
未練たらしいよね…
「ゆいっ!!聞いて!!」
ダメだ、涙止まんないよ
「!!!!!!」
「ごめん、困らせるだけだからもう帰って…」
泣いてる顔を見られたくなくて私はリサに背を向けた
フワっ
後ろから感じる温もり
安心する温もり
「もうやめてよ…諦められなくなっちゃう…変に優しくしないでよ…」
「諦めないで、その気持ちのままいて」
「え…でも…」
「ごめん、こんなにゆいの事泣かしてまで離れるのは違うかなって…」
リサは私を自分の方に向ける
「でもまだよりを戻す事は出来ない。やっぱりゆいの事は守りたいし、傷付けたくない。だから私がちゃんとゆいの事守れるように強くなるから…待ってっててって言いたいけど言わない。気持ちはいつか変わるかもしれないから。ゆいにもし好きな人が出来たらその人と幸せになればいい」
「ズルいよ、期待しちゃうよ。私…待っちゃうよ…今までもこれからも私にはリサしかいないから」
「そうなっちゃうよね(笑)だから言いたくなかった。ふーちゃんにも口止めしてたんだけどね(笑)」
「リサ、このまま一緒になっちゃダメなの?」
「でもまたゆいへの嫌がらせが始まったら私耐えられない…」
「そっか…リサお願いがある…離れる前にもう一度だけキスして」
「え…」
「そしたらもうワガママ言わないから…お願い…」
リサは困った顔をしながら眉毛を八の字にしてわかったと言った
リサは私の頬に手を添える
久々すぎてドキドキしていた
心臓の音がリサに聞こえてるんじゃないかってくらいドキドキしていた
どんどんリサの顔が近づいくる
私は思いっきり目を瞑った
頭をポンポンされる
「そんな注射する前みたいな顔されたら出来ないよ(笑)」
「久々すぎて///」
いきなりリサがキスをしてくる
リサはいつでもそうだった
私がキスして欲しいって言った時はしなーいとどっか行ったり恥ずかしくて顔を背けた時にこそキスをしてくる
その駆け引きが上手で私はいつでもドキドキしていた
「またいきなり///」
「ゆい知らないでしょ(笑)いきなりの時のゆいものすごく可愛いんだから!!」
リサはニヤッと笑った