リサside






楽屋で1人携帯を見つめていた

別に誰かを待っているわけじゃない

でもいつも入ってくるなりすぐ見つけてしまう彼女の姿が今日はない








「あれ?どうしたんだろ」








スタッフさんとゆうかが何かを話している姿を見つけた








「どうしたの?」





「ゆいぽん熱があるから今日はお休みするって〜」





「そうなんだ。高いの?」





「そんなに高くないって本人は言ってたみたいだけど心配だな〜ゆいぽん無理するところあるから…」





「そうだね〜早くよくなるといいね」








私は平常心を装っていたが内心すごく心配だった

前にも熱があって寝れば治ると言われた事があった







でもきっと買い物も行くのもしんどいと思うからと私は色々買ってこばの家を訪ねれば倒れていた事があった






こばはなかなか弱いところを人にみせない

いつも隠そうとする

そんなことを考えていたらテレビ収録が終わっていた







その足で私はこばの家へと向かう

もしかして寝てるかもと思い私はドアに買ってきた荷物をかけ、帰ろうとする







ガッシャーン







「なに今の音!!」









私は心配になりドアをドンドン叩く









「こば!!私だけど大丈夫!?」








しばらくしてドアがあく






「ゴホゴホ、リ…サ」





「すごい音したけど大丈夫?」




「うん…大丈…」







言い終わる前にこばは私に倒れかかってきた






私はこばの腕を肩に回しベッドまで運ぶ






「やっぱり酷い熱だったか…なんで助けてって言わないんだよ…」





熱が高いせいでずっとうなされている





「こば、ちょっとごめんね〜」





私はこばを膝枕し水がこぼれないように薬を飲ます

こんなとこまで優等生で素直に飲んでくれた




しばらくうなされていたけど薬が効いてきたのかスースーと寝息が聞こえてきたので冷えピタを取りに行きこばのおでこに貼る






 部屋を見渡せばさっきの物音の原因を見つける(笑)








「これか(笑)マグカップが割れちゃってる(笑)あ…」









私が見つめる先にツーショットの写真が飾られているのを見つける





それは私とこばが仲つむまじく写っている写真

私達は少し前まで付き合っていた

こばが休養を発表する前まで









「こば、ごめんね…」








割れたマグカップを片付けながら申し訳なさを感じる

好きの感情がなくなったわけじゃない

むしろまだ好きだ

でも私が近くにいる事でこばを傷付けてしまうから私はこばから距離をとる事を選んだ

自分よりもこばが大事だからこそ別れを選んだ







思い出しただけでも涙が出そうだった

ホントならそばにずっといたかった





決断したのは自分なんだから今更クヨクヨするなと自分に言い聞かせこばの部屋を掃除し、おかゆを作る






その間もこばはスヤスヤ寝ていた

ふーちゃんに連絡をする





『こばの家に来て』





すぐに返信が来る





『え?なんでゆいぽんの家にいるの?寄り戻したの?』






ふーちゃんは私達の関係を唯一知っている人






『違う。熱があるからお見舞いがてら様子見に来た』





『ホントのことゆいぽんに言わないの?』





『言わないよ。言ったらこば自分の事責めちゃうから』





『リサの気持ちはどうなるの?』





『私の事はいいの。もう決めた事だから…』





『とりあえずゆいぽんの家行くね』





『よろしく』






こばの様子を見に寝室に行けば暑くなって布団を蹴飛ばしていた







「寝相(笑)すごい汗かいてる。拭いてあげた方がいいよね」






少しだけ濡らしたタオルを持ちこばの額と首元を拭く





しばらくこばの寝顔を堪能し、

私はこばの頭をなでほっぺにキスをする





「ゆい、好きだよ…」














由依side







目を覚ますとふーちゃんがいる






「あれ…私…」





「目、覚めた?ゆいぽん倒れたんだよ」





「ふーちゃんが助けてくれたんだ」





「…体調どう?」





「さっきよりいいかも。薬も飲ませてくれたよね?」





「…うん」





「ありがとう」





「おかゆあるけど食べる?」





「おかゆまで作ってくれたんだ。部屋もキレイになってるし色々ありがとう」





「おかゆ食べるなら温めて持ってくるよ?」





「お願いしてもいい?」





「ちょっと待ってて〜」







ふーちゃんはキッチンに行った





なんだろう

ほっぺになんか温もりがある気がした

この温もり知ってる

けどありえないよね…






「お待たせ〜熱いから気をつけて食べてね」





「いただきます。…さっきね、リサがいる夢を見た」





「そうなんだ…」





「リサが部屋の掃除もおかゆも作ってくれてた(笑)ふーちゃんがやってくれたのにね(笑)…なんでこうなっちゃったんだろう…」





「ゆいぽん…」





「私が全部悪いんだけどね…知らないうちにリサが嫌がる事してたから…」





「それは違う!!リサは今だって…」





「え?なに?」





「なんでもない…私、帰るね」





「待って!!何か知ってるなら教えて!!」














ふーちゃんから聞く話によれば私への殺害予告はリサのストーカーの仕業という事







私は休養前誰かわからない人から殺害予告の手紙が何度も何度も届いていた










最初は悪ふざけだろうと思い無視していた

けれど日に日に手紙の内容は酷くなっていきメンタルがやられてしまった








しかし休養を発表するとそれがパッタリとなくなり同時にリサも私の隣からいなくなった…






あれはリサのおかげだったんだ

でもなんで私から離れたの…

やっぱり、私嫌われたから…

ちゃんと話したい。リサと






「ふーちゃん!!リサどこにいる?」






ふーちゃんはすこし躊躇いながら今さっき入れ替わったことを教えてくれた








私は気付けば部屋を飛び出していた