次の日学校へ向かおうと家を出るとあの人が同じタイミングでマンションから出てきた
「おはようございます」
「おはよ〜じゃあまた学校でね」
それだけ告げさっさと行ってしまった
前まではマンションで会った時は階段下まで一緒に行っていたのに…
チクっ‼︎
「なんだこれ、胸が痛い…」
それからの先生は学校であっても挨拶だけ
俺が話しかけてもすぐに終わらせようとする
俺も話すのが得意なわけじゃないから勇気を振り絞って話しかけるのに早々終わらされる
それが結構傷付く…
でも先生はそれを何回も何回もやってくれてたんだなと今更思う
移動教室の途中俺はめまいがして倒れた
気付くとまたベットの上にいた
「あ、気が付いた？よかった〜もう少し寝て大丈夫そうなら教室戻っていいからね」
なんでもない言葉が全部チクっと突き刺さる
なんで…
俺は腕で目を隠し返事には答えずベッドにいた
それを心配してかカーテンを開け先生が入ってくる
「平手君？大丈夫？」
その声を聴いただけで涙が出そうになる
俺が返事をしないのを不思議に思ったのか顔を近づけてもう一度名前を呼ばれる
目にやっていた腕を外しそのまま先生の腕を掴む
「えっ⁉︎どうしたの？どこか痛い？」
先生は俺に腕を掴まれながら隣にあった椅子に座る
この数週間で分かった…
俺は先生が好きだ
誰にも渡したくない
たまに寂しい顔を先生はする時がある
そんな先生を守りたい
掴んだままの腕を引きベッドへ引き寄せる
先生は体制を崩し俺の上に乗る形になった
驚いている先生をよそにその唇に向けてキスをした
何秒していたかわからない
先生は勢いよく離れる
「ひ、平手君⁉︎」
「先生…俺、先生の事好きだ…ずっと見て見ぬ振りしてた。けど先生に素っ気ない態度とられるようになってそれが嫌で…」
先生は何も言わず立ったままでいる
「先生…俺の事もう好きじゃない？もう他に大事な人出来た？それなら諦める…だから答えてほしい…」
先生は椅子に座り直し真っ直ぐこっちを見て話し始めた
「あの時…あの教室で平手君がボーッとしてた時、私ホントは諦めようとしてた…平手君がずっと言っていた先生と生徒って立場を一番理解してないといけないのは私なのに…だから最後に話したいと思って話しかけに行った。そしたら思ってた以上に大人びたこと言うから逆に子供っぽい事言いたくなっちゃって…あの保健室を最後に諦めようと思った。他の生徒と同じように接しようって…でもやっぱりそれが出来なかった…もう距離置くしかないって思って…そしたら今日ここに運ばれてきてすごく心配で、でも気持ちは出さないようにって決めてたのに…なんで…もう無理…好きだよ…ずっと好き」
俺は先生が愛おしくなって抱き寄せる
「ここ学校だよ///誰かに見られちゃう///」
「そんな事前まで気にしなかったじゃないですか(笑)」
「だって…」
「わかりました」
先生から離れると今度はちょっと抱きしめてほしいと言われる
それに困った俺は見かねて提案をする
「今日先生の家に行ってもいいですか？明日休みなんで」
「泊まりにくるの⁉︎」
「違います(笑)流石にそれは(笑)もう少しいろんな事話したいので…ダメですか？」
「きてほしい…あと保健室出て行く前にもう一回抱きしめて欲しい」
「わかりました」
俺はベッドから降り先生を抱きしめる
見た目もそうだけどとても細くてビックリした
「先生ちゃんと食べてますか？細すぎですよ」
「平手君に言われたくない」
「俺意外と筋肉ありますよ？腹筋とか。見ます？」
「///いい、見ないから///もう教室戻りなさい」
「いきなり先生ぶるんだから(笑)じゃあまた家で」
「あ、平手君電話番号教えて」
番号を交換する
「これでよし。じゃあ家に帰ったら電話します///」
「なんで先生が敬語なんですか(笑)ホント可愛い」
「サラッとそうゆう事言わないでよ///」
「ん？俺思ったことしか言いませんよ？」
「う〜ん…これ以上一緒にいたら離れたくなくなるからこれくらいで…」
「じゃあまた電話してください」
保健室をでた
教室に戻ると愛貴が真っ先に飛んできた
「平手大丈夫か⁉︎」
「ごめんな心配かけて。でももう大丈夫だから。ありがとう」
「ならよかった。いきなり隣見たら倒れるから…心配で死ぬかと思った」
「ウソつけ‼︎(笑)」
「それは盛ったわ(笑)」
「あの、愛貴…」
「どした？」
「その…あの人に気持ち伝えた」
「えっ⁉︎それで⁉︎」
「あっちも好きって」
「やっと付き合ったか‼︎」
「いや、付き合ってはないよ」
「へぇ？どうゆうことだ？」
「だって付き合ってとわ言ってないし」
「言わないつもりか？誰かに持っていかれるぞ？リサちゃん可愛いし、俺とかに」
「…そしたら友達やめる」
「本気だな(笑)本気ならなおさら言わないとダメだろ」
「でも今日あの人の家で話すことになってる」
「俺の知らない所でどんどん話が進んでる。てか恋人同士じゃなきゃキスもできないだろ？」
「……あぁそうだな」
「待て、今の間なんだ？」
「キスはした」
「なんだよそれ⁉︎もう付き合ってんじゃん‼︎」
「いや、あれは俺が勝手に…」
「しかも平手から⁉︎」
「我慢出来なくなった」
「それ恋人じゃないと出来ないって言うかしちゃいけないことも出てくるだろ？お前その時我慢できるのか？」
「我慢できる自信ない」
「なら尚更伝えなきゃだろ？」
「…うん」
「だからちゃんと今日伝えろよ‼︎ビビるなよ‼︎逃げるなよ‼︎」
「あぁ、ありがとう愛貴」
そして学校が終わり家に帰る