WOWOWのドラマ「虚ろな十字架」が完結しました。

ネタバレありです!

主に原作とドラマの違いや感想など。


東野圭吾さんの原作と違った部分もありながら、基本的なあらすじは同じ。


非常に重い後味の作品でした。

同時に毎回、原作既読でも惹き込まれてあっという間。


「人を殺した人間は許されるのか?」


ケースバイケースとしか言いようがない。基本的に、悪意で他人を殺したケースは許されないと思います。


中原(香取慎吾)と小夜子(鈴木杏)の子供を金目当てに殺した犯人は許されるはずもない。


一方、10代で出来てしまった赤ん坊をどうすることも出来なくて樹海に埋めたカップル。仁科史也(赤楚衛二)と井口沙織(花瀬琴音)

彼らはその後の人生をほぼ贖罪として生きている。


仁科史也(赤楚衛二)は小児科医として非常に厳しく己を律している。

樹海で自殺しようとした妊婦・花恵(蓮佛美沙子)と結婚し、自分の子でない翔を自分の子として可愛がり、育てている。

花恵の父であり、無頼な町村(ピエール瀧)の面倒も見ている。


娘である花恵はそんな父を嫌っているにも関わらず、である。

町村にとっては史也は恩人であり、娘と孫を庇護する神様のような存在だった。


井口沙織は万引き依存症になり、押し入った男に私を殺してください、と口にするほど、罪の意識に苛まれていた。


ストーリーのキーパーソンである浜岡小夜子(鈴木杏)はフリーライター。

子供を殺害された過去を持ち、そのせいで夫の中原(香取慎吾)と離婚した。


取材で出会った万引き依存症の井口沙織の過去を聞き出し、自首を勧める。

同時に亡き子供の父親である仁科史也(赤楚衛二)にも自首を強く自首を勧めたことから悲劇が起こる。


原作では、正直に言うと小夜子はやり過ぎに見えた。正義感の暴走。特に史也に対しては非常に苛烈。


当然、史也の罪は許されるものではないが、今の史也を責めること=妻の花恵や息子の翔をも断罪することになる。それを全く考慮せず、強盗殺人と同時に罪を裁こうとする姿勢には違和感を覚えた。


しかし、小夜子の過去を思うとそれも無理はないと思わされる設定のうまさ。さすがは東野圭吾さん、と唸りました。


妻を病で亡くし、娘と孫の幸せだけが密かな願いだった町村は、小夜子を殺めてしまう。結果として、中原(香取慎吾)は幼い娘と元妻をも失うことになる。


◆◇◆


原作でドラマを補完して書きました。

次は原作とドラマの違いをわかる範囲で。


✳️ドラマは香取慎吾さんが主役なので、最後まで中原の悲劇がフューチャーされていた。


✴️原作だと終盤は史也とその過去中心の物語になり、中原は傍観者めいた存在になります。


✴️ドラマでは史也の聖人さが薄まっているように思えました。プライベートや自分を犠牲にして、小児科医として働き、患者や家族に慕われています。  



✴️原作、ドラマともに花恵が中原に、夫である史也の誠実さや贖罪を訴える場面は同じ。クライマックスです。


✳️原作でも史也と沙織は自首します。

しかし、当時の保護責任者遺棄致死罪はすでに公訴時効が成立しています。さらに、二人の供述通りに樹海を捜索しても赤ん坊の遺骨が発見されず、法的に罪に問うことができない状態になります。


✴️ドラマでは樹海で中原と史也が対峙する場面は原作にはなし。


✴️ドラマでは史也は花恵と翔を伴い、無医村に赴任します。これは原作にはない設定。


◆◇◆


ドラマ感想


赤楚くん、贔屓目なしで演技上手くなったなあ、が率直な感想✨️

え?そっちですか?やっぱり贔屓目あり?



でも仁科史也って相当な難役。

ある意味非常に人間味のある過去を持ちながら、罪を償う為に聖人めいた生き方をしている。


原作だと花恵は蓮佛美沙子さんのような美人ではなく、結婚詐欺師に騙されて妊娠してしまった優しく平凡な女性。

ドラマだと蓮佛さんの儚げな美しさが際立っていたので、史也が花恵に一目惚れしたかのように見えないこともない。


妊婦の家に何度も訪れてご飯をねだる史也は、ドラマで見ると赤楚くんが演じても、いえイケメンなので余計にヤバさ倍増😅


しかし、実際は史也は過去の贖罪の意識から、花恵のお腹の子を救う為にプロポーズします。


原作の史也聖人度が減った分、赤楚くんの存在感と演技で補強されたので結果オーライ⭐️


蓮佛美沙子さんの演技も素晴らしかった!

花恵が中原に必死に訴える場面がクライマックスなので、非常に良かったです。


花恵にしてみれば、父が殺人犯、最高の夫がいきなり過去に我が子を殺していたことが発覚して一気に人生超ハードモード。


でも花恵は夫・史也のストイックな生き方をずっと側で見てきた。

夫は強盗殺人犯とは違う!と叫びたくなるのはよく分かります😭


ピエール瀧さん、迫力ありすぎ😅


鈴木杏さんも我が子を失った母の悲痛さが、人に贖罪をさせることに置き換わった強さや歪さ、と言って良いのかどうか分かりませんが、がとても良かったです。


樹海で香取慎吾さんと対峙して、史也が自分だって忘れていない!と思いの丈をぶつける場面もはっとしました。


いえ、中原にしてみれば関係ないだろ!なんですが、場面として素晴らしかったです。


しかし、史也と沙織の過去が仮になくても、中原と小夜子の子が殺されたのには変わりがないんですよねこの物語。


最後の香取慎吾の嗚咽が、ようやく我が子を失った悲しみを涙に変えることが出来たようで悲しかった。


史也と花恵夫妻、翔くんはこれから茨の道ですが、史也には信じて支えてくれる妻と血が繋がらずとも我が子同然の可愛い息子がいます。


一方、沙織には誰もおらず、史也は既婚者。罪の意識で繋がっているものの。。これが一番悲しかったかも。

とはいえ、この2人が付き合い続けるのも新たな関係を築くのも難しすぎます。


史也の母と妹は、結果的に史也と縁を切って良かったかも😅


ともあれ、非常に見応えのある良作でした。


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