ずっと前から楽しみにしていた作品。

柚月裕子さんの原作はだいぶ前に読んで、熱量と切なさに衝撃を受けました。

決定的なネタバレはなし


ストーリー

埼玉県の山中で白骨死体が発見された。 遺留品は、名匠の将棋駒。 叩き上げの刑事・石破と、かつてプロ棋士を志した新米刑事の佐野は、駒の足取りを追って日本各地に飛ぶ。 折しも将棋界では、実業界から転身した異端の天才棋士・上条桂介が、世紀の一戦に挑もうとしていた。


坂口健太郎は不遇の天才棋士・上条圭介にぴったりだと思います。

掛け値無しに演技もすごく良かったです。



渡辺謙さんの鬼気迫る演技もさすが。

幼少時代の圭介に将棋を教える心優しい教師役の小日向さんでなくても泣きます。小日向さん最高。


プロ棋士を挫折した若手刑事・佐野役に高杉真宙くん。上手いです。


音楽など、全体的に正統派の昔の日本映画らしい雰囲気を意識したのかな?という作りでした。


将棋盤・砂の器と言われてもいるようで納得。


長編を映画に凝縮されると、天才棋士・上条圭介(坂口健太郎)の人生があまりにも不幸でずーんときました。ただその分、見応えはありなんですが。


原作読んだ時にも本好きの友達と話し合っちゃった記憶があります。上条圭介を幸せにする会を発足したい。


圭介が大学時代に久しぶりに将棋を指す場面が、笑顔で本当に嬉しそう。それだけに家庭環境から普通にプロ棋士を目指せず、将棋を諦め、更に普通の幸せさえ諦めなければならなかった圭介の境遇が悲しい。


圭介の子役・小野桜介くんもとても演技が上手くて泣けます。


惜しむらくは、原作にある「棋盤の上に咲く向日葵の幻想」が映像化されなかったこと。強烈な印象を残す場面なので。


原作を読みながら、この作品は傑作。必ず映像化されるだろう。でもこの場面はどうなるのかな?と考えたのを覚えています。


千葉雄大さんのドラマ版ではどうだったんだろう?


千葉雄大さんは演技上手いし、どちらも良い役者なのですが、連ドラでこれを見るのはキツイと思って見てなかったのかも。


映画版の坂口健太郎は、不幸さから滲み出る男性的な色香があります。


ラストは絶望感漂う原作よりは幾分力強さがあり、ホッとしました。

どんな境遇でも生きろ、と教えられた圭介の今後はどうなるんだろう。


もう、警察も圭介のことは放っておいてくれないかな、と何度思ったことか😢


あと、子供ってどんな親でも好きなんだなぁ。だからこそ親は子供に責任があるんだよー、と泣きたくなる作品。



プロ棋士って一体どういう頭脳をしているのか全く想像もつきません。


理系の甥っ子は、幼い頃から羽生さんや藤井くんなど、プロの棋譜を研究するのが好き。

東大に行くよりプロ棋士として食べていく方がずっと難易度は強いはず。


藤井くんは小学生の頃、先生に「なぜ5分でわかることを1時間かけて授業するんですか?」

と尋ねたそうです。

頭が良すぎて純粋に疑問だったのでしょう。


先生の答えは

「君みたいにすぐわかる子もいれば、2時間かけないと分からない子もいる。だから授業が必要なんだ」


藤井くんも納得したそう。

先生はもちろん、それで納得した子供時代の藤井くんもすごい。


頭が良すぎて、もはやプロ棋士になるしかない。私と会話成立しなさそう滝汗


あと、将棋作品では羽生さん風の人が多すぎていつもちょっと笑いそうになります。最近では藤井くん風もいらっしゃいます。