国宝を観てきました。
原作も映画もネタバレもあり。
原作は映画化決定する大分前に既読。
素晴らしかったです!
吉沢亮、横浜流星は素晴らしいを超えていました。他の役者達もとにかく演技が本当に素晴らしい。

寺島しのぶ、高畑充希も最高。
そして田中泯さんは先代・歌右衛門が乗り移ったかのような演技でした。
とにかく原作が面白くて長いので、どうまとめるか気になっていましたが、ちょうど良かったと思います。特に喜久雄はもっとえ~っみたいなエピソードもある。
原作を読めば更に楽しめることうけあいです。吉田修一さんは横道世之介もお勧め。
あの長い原作をまとめる監督や脚本家、美術、音楽、衣装など全てがすごいです。東宝でなければ出来ない作品でしょう。日本でなければ出来ない作品でもある。
私は歌舞伎や日舞は相当濃い観劇歴と、日舞も10年ほどやっていたので違和感がある場面もそれなりにありましたが、別物として充分に観られるクオリティーの高さ。それをいちいち書くとかなり長くなるのでやめときます笑
若い歌舞伎役者は渡辺謙のような具体的な指導の方が(手が出るのはともかく)、田中泯さんのような「心が入ってない」的な指導より楽だそうです。それはそうですよね。謙さんも良かったなあ。
ただ、歌舞伎界で血は確かに重要ですが、玉三郎や愛之助のように外から入ってきた人も珍しくありません。
そして大名跡を継ぐような家に生まれた男子の重圧や苦悩も凄まじいです。
歌舞伎界の酷なところは、名門でも親が早くに亡くなると同じだということ。代わりに後ろ盾になってくれる人を探さなければなりません。
今の團十郎が二十歳で歌舞伎座で勧進帳の弁慶を演じることになり、前日に一度逃げ出したそうですが、これも気持ちはわかります。
ましてや才能の塊みたいな喜久雄と同じ屋根の下で暮らした俊介。
原作の喜久雄(吉沢亮)の荒っぽさやクズっぷりもかなり表現されていたのは嬉しい。舞台での美しさのギャップが良いのです。芸への執念も原作通り。
原作でお気に入りの俊介(横浜流星)も想像以上に良かった。横浜流星も大河とは全く違った雰囲気でちゃんと俊坊でした。原作の甘さとおおらかさが表現されていました。芸への執念も表現されていました。
高畑充希えんじた春江が一見悪女みたいに見えるかもしれませんが、私には充分に彼女の気持ちが充分にわかります。俊坊の方が人間味がある。彼女が最後の場面にいるのが違和感がある方もいらっしゃるようですが、喜久雄もあれだけプライベートは好き勝手やっていますしそこらへんは男女の機微の範囲内ではないかと。
2人で俊介の話をする場面もあります。
もう細かい恨み辛みなど超えた関係になっています。春江は2人の芸への執念を理解している女性でもある。
そして寺島しのぶの気持もわかる。。
原作では喜久雄と俊介の絆はもっと濃厚です。同じ熱量で歌舞伎に取り憑かれた者同士、何も言わなくても通じるものが多い幼なじみですから、当然と言えば当然。
原作は、俊介がああなってからの、喜久雄の喪失感と孤独は痛ましい。
ラストは原作より映画の方が現実味があって好きでした。
歌舞伎好きとしては楽屋の様子などが見られるのも、本物の歌舞伎役者が出ているのも楽しかったです。
一つ言うなら、歌舞伎の場面でドアップが多すぎる。お二人の顔は大変美しいのですが、舞踊なら全身の動きが観たい。素晴らしかったでしょうに。
そしてやはり、本物の歌舞伎を観たくなってしまいました。
折しも歌舞伎座で、幼少期の二人が舞台袖から観ていた「連獅子」を尾上菊五郎親子が襲名公演で上映中。
歌舞伎は役者はもちろん、舞台装置や衣装、音楽の音色の美しいなど日本が誇る総合芸術ですから、はまるとお金が飛んでいきます。安い席もありますが。
意外とというか当然というか、男性ファンも多いです。
この映画を観て歌舞伎に行く人が増えるといいな。美しい化け物は確実に舞台にいます。
人気の歌舞伎役者は大変忙しい。
何故なら、月初めから月末近くまで公演があり、何役も演じる→月末月初の数日で次の公演の演目を稽古する、がずっと続く。下手をすると本当にお休みが年に数日もあれば良いほうになってしまう。
だから、観たい演目はなんとしても観る!になりがち。
結構長くなってすみません。
