※史実ネタバレあり


平安時代が好きなのでツッコミつつも楽しく見ています。この時代は最高権力者でありながら祭り上げられた不自由な存在・歴代の帝を中心に史実がとても面白いです。なので個人的にはどうしても、史実アレンジパーツに惹きつけられます。


源氏物語は田辺聖子さんのものを学生時代から何度か読みました。あさきゆめみしは未読ですが、あの大長編を漫画で描いてブームになったのも偉業ですね。私はどちらかというと「平家物語」の方に惹かれましたが、あちらは戦記物なので全くジャンルが違いますね😅


源氏の女性達への言動には賛否両論あれど、今は亡き親日家、日本文学者のドナルド・キーン氏が「「源氏物語」は、暗い一九四〇年のさなかにあって私の避難所となった。〜中略〜
これを読んだ事が原因で、私は日本文学に生涯を捧げる決心をしたのだった。そういう意味でもウェイリー(訳者)に感謝している」との言葉が印象に残っています。明日をも知れない戦争の日々で、未知の国、日本の華麗な宮廷絵巻が心の拠り所だったそうです。そのくらい力を持った、魅力のある物語。だからこそ今も作者が大河の題材になったりしている。紫式部も清少納言も天才です。


話を戻すと、道長(柄本佑)は正直、あんなに理想的な人物とはいい難いので複雑な気持ちにはなりますが、柄本佑さんの演技と存在感は素晴らしい。目元が涼しげで輪郭も綺麗。すっきりとした長身で烏帽子がお似合い。紫式部が好きになるのはわかる。吉高由里子可愛い。


実際に疫病から民を救おうと奔走したのは伊周(三浦翔平)だったり、父の道隆(井浦新)も疫病に苦しむ民を気にかけていたりしたので、ドラマではいいとこなしでちょっと気の毒。伊周は議場で、疫病に苦しむ民や京都の様子を詳細に述べ、今で言う臨時予算を取り付けています(本朝世紀より)


この時代なので祈祷もしています。三浦翔平も私の好きなの井浦新も上手い。彼も実際はあんなに権力欲だけの人ではない。


私の推しは一条天皇(塩野瑛久)と中宮・定子さま(高畑充希)

清少納言の気持ちがわかる。清少納言が定子さまが大いに慕っていたのも事実。



高畑充希も当たり役。

2人とも綺麗で上手い。並ぶとお雛様みたい。日本最高位のカップルなのにロミジュリのように悲劇的で美しくも切ない。塩野瑛久はキョウリュウグリーンの頃から知っているので感慨深いです。オーディションで決まったとか。竜星涼も出ているのでキョウリュウジャー好きとしても嬉しい。



一条天皇は定子への寵愛が非常に深く、後に「やっぱり定子が一番良くできたいい女だった」と回想。それ故に普通ならしないようなことをしてしまい貴族達に非難されるのですが、来週以降、それも描かれそうで楽しみ。


定子さまが落飾したのは18才、帝は15才ですからリアルロミジュリ。


実際にはかなり道長が暗躍したのですが、ドラマでは全て周囲のせいにされそう。こちらも素敵な女性・倫子さま(黒木華)も若干そんな風に描かれ始めていますね。柄本佑ならダークな道長も魅力的に演じられそうとは思ってしまう。皆様上手いなあ。


史実では中関白家の失墜・定子の落飾には、道長の謀が関係しているので、一条天皇は母・詮子(吉田羊)の勧めで道長を右大臣にしてしまったことを深く後悔しています。詮子は吉田羊さんが演じているのでだいぶ可愛らしくなっています。吉田羊さんも好き。


今週のエピも、伊周はしゅっせしたフリではなく、実際に出家してしまっています。


見上愛さんも出るのが楽しみだけど、定子さま関連で来週あたりが特にドキドキしそう。花山院(本郷奏多)ももちろんお気に入りです。

この時代を描くには帝が魅力的でないとね♪



ドラマの伊周はただ情けないけど、弟が勝手に院に矢を射て、呪詛は行っていないのにやったことにされるのは気の毒。

疫病対策に奔走したのまで道長にスライドしているので、思わず書いてしまいました。


弟・隆家の竜星涼は適役で見ていて楽しい。

もっと気の毒なのは定子さま。いくらなんでも実の兄とはいえ、中宮様の御簾を勝手に開けて「御子を産め〜」攻撃はさすがにあり得ない。脚本家は物議を醸したらしい朝ドラ「オードリー」(未見)の大石静だから好き嫌いが分かれそうではあります。隆家はまた後に活躍します。


ドラマだからこんなエントリーは無粋ではあるんですが突っ込みつつ楽しむくらいはお許しください。