ネタバレしています!

 

毎週密度が濃くて重いのに面白い鎌倉殿の13人。

これ、十分に海外や世界に売れるクオリティーですよ。

 

とうとうこの日が来てしまいました。和田合戦。

和田推しの私は涙腺が緩み続けてしまいました。

 

髭面なのに誰よりも鎌倉殿・源実朝(柿澤勇人)に忠義一途の和田義盛(横田栄司)

すごくまっすぐで気持ちのいい男で、序盤から私のヒロインでしたお願い

和田義盛

 

もともと史実の実朝が好きなので、繊細で優しい実朝、絵物語から抜け出してきた姫君そのものの奥方・千世(加藤小夏)も大好き。実朝もヒロインですお願い

源実朝

 

史実の実朝にも子供がおらず、このドラマの実朝は北条泰時(坂口健太郎)を思っている。

それをある程度、妻の千世に告白して、更に千世もそれに理解を示しているのが切ない。

でも寂しかっただろうな。いろんな説があり、その中に男色もありました。

 

美しくたおやかで心優しい千世

 

それをあんなに美しく切なく描くとはさすが三谷幸喜。

「新選組!」もブロマンス色強いと言われてましたね。

 

実朝と妻の千世。絵巻のように美しい2人

 

実朝も実際にどうこうとは思っておらず、思いを込めた和歌を送るのが限界。

平安時代は貴族の間で男色は普通。、武士でもありました。

家の繁栄のために正妻や側室を娶り、恋のかけひきは男同士で楽しむのが流行。

平清盛に出てきた悪左府・藤原頼長(あの時も山本耕史が名演)が有名です。

 

あのドラマで頼長の恋愛もパワハラのように描かれていましたが、当時の男色はあくまでも「粋な恋のかけひき」なのであれは史実ではありません。
いや、見てきた訳じゃないけど、複数の本(史実のほう)にはそう書いてありましたひらめき電球

 

それでも鈍い泰時ですら向けられている思いに気づき、人や上司として尊敬している実朝の思いに気付かなかったこと、応えられないことに悩む。

実朝と泰時

 

そんな優しすぎる実朝が父のように慕う豪快でまっすぐな坂東武者・和田義盛。

さすがの義盛も半分くらいは自分の命運を悟り、命を惜しんでいないのが泣けます。

 

さすがの三浦義村でさえ、和田には筋を通してから北条義時(小栗旬)の味方につく。

命だけは取らないでくれと実朝に頼まれる義時。

和田義盛が討ちたいのは北条一族であって実朝・鎌倉殿では決してない。

 

自分が直接語れば和田義盛は言うことを聞くという実朝。

彼が実際に義盛に語り掛ける場面から涙。

 

実朝「義盛、お前に罪はない。

これからも私に力を貸してくれ。私にはお前が要るのだ」

和田「もったいのうございます。そのお言葉を聞けただけで満足じゃ。

皆、ここまでだ。
聞いたか?これほどまでに鎌倉殿と心が通じ合った御家人が他にいたか?

我こそは鎌倉随一の忠臣じゃ、皆、胸を張れ!」

 

その言葉だけで十分と感激して、負けを認めて投降しようとした義盛に一斉に矢をいかけるよう命じる義時。もう真っ黒なのはわかっているけど、どうしてくれよう。

 

和田殿の最期はさながら弁慶の立ち往生でカッコよかった。

夫の死を知った巴御前(秋元才加)に見せ場があったのも良かった。

和田殿の菩提を弔って長生きしたらしいと知り、ほっとしました。いい女でした。

 

和田殿が命を惜しむ訳ないし、とっくに死ぬ覚悟はしていたはず。

わかっていたけど、目の前で和解したはずの大好きな義盛を殺された実朝は慟哭する。

過呼吸になってる実朝さま汗


大好きなはずの泰時に抱き留められても救いにならない。

こんなのメンタルズタズタになりますよ・・・

 

義時「これが鎌倉殿に取り入ろうとする者の末路にござる」

 

小四郎(小栗旬)も三浦も冷血すぎる。

義時、陰でこっそり泣いても許されないぞ

こんな真っ黒な大河の主人公初めて。

 

義時、あの人を殺さないという北条政子(小池栄子)との約束守ったことあったっけ?

父と義母だけ(義母は殺そうとして失敗)

既にダークヒーローとも呼べないのだった。

 

しかし、嫌いだけど脚本演出演技全て上手すぎて嫌いになれないんです笑い泣き

小栗旬、すごいとしか言えない。

 

これ以降は朝廷に政を相談する。なぜなら鎌倉に自分の味方はいない。

それなら鎌倉より力の強い朝廷に頼って戦のない安寧の世をつくる、という実朝。

 

実質的な味方は妻の千世様のみ。

内心は泰時も同じ思いだろうけど、父の義時に従っているから味方とはいえない。

 

実際にあの立ち位置でそれを目指すのはとんでもない勇気と覚悟がいることで素晴らしい。

でも、それを義時に言っちゃうのが品と性格の良すぎる実朝くんなんですよねあせる

 

史実でも実朝は朝廷に傾倒していたと言われる。

でもこれじゃあ無理ない、と思わせる三谷幸喜の脚本のすごさよ。。。

これまで捨て回一度もなし、今年の三谷幸喜は神がかっています。

 

お酒に弱いのに現実から逃げたくて酔い、妻や従者に水をかけられる泰時も面白かった。

それでいざ戦場に立つと大活躍。純粋で父に染まらず平和主義者。

でも体育会系で鈍いところもある。

優しい文学青年・実朝が好きになるのも無理はないと思わせる描写が多い。

父・義時に全く期待されていない次男・朝時(西本たける)もそりゃ思うところありますよね。

母は事情があるとはいえ離縁され、義母や父は実質放っておかれたんでしょう。

 

来週は例の動かない唐船の回ですね汗

あれもいろんな解釈がありますが、きっと切ない展開になるんだろうなあ。

 

毎回辛すぎるのに出来る限りリアタイして既に次週が待ち遠しい。

それが鎌倉殿の13人。

 

義時の最期も怖いけど楽しみだし、既に鎌倉殿ロスになりそう.

有料でもいいので、泰時が有能な執権になるまでやってほしい。

(松潤のどうする家康も楽しみ)