虹の橋と白いはと(42)    お見舞い客

翌日妻のお母さんが三女と共に見舞ってくれました。
これまでの入院と違う様子を見ていろいろ話をしました。
抗がん治療を止めたことを話すと賛成してくれましたが、
その後の治療法に迷っている事は言えませんでした。
病院を変わった事、もう治す治療ではない事、麻薬を使って痛みを抑えている事、やっぱり今までの入院とは違います。

もう箸は使えません。お母さんはお粥に切り替えるよう頼んでくれました。
箸が持てないんです。コップが持てないんです。
妻は『赤ちゃん』になってしまいました。
わたしは緩和病院を探すことを約束しました。
これからもっともっと病状が悪化するのが心配になったのです。
いつまでここに居られるのだろうか・・・・・・・・?

一人ではもうベッドから降りる事も出来ません。
トイレにいくのも大変です。
それでも痛みがひどくならないのが幸いでした。
私はボランティア活動をしてきたお蔭と思ってしまいました。
お母さん達が帰ると病室は2人になりました。
妻の手を握ると涙が出てたまりませんでした。