虹の橋と白い鳩(24)    ポート挿入手術

CTの検査も異常ありませんでした。
心配していた転移もみられませんでした。
妻は「ヤッター」と主治医の前で両手を挙げて喜びました。

しかし、ふっくらとした笑顔には信じられない病魔が潜んでいたのです。
それは『浮腫』です。
体のどこからも点滴が出来なくなっていたのです。
このままでは抗癌剤の治療も出来ません。
また手術の必要性に攻められました。
腫瘍マーカーは930です。信じられない数値ですがもう気にかけてはおられません。もっと高い患者さんも拘らない姿も見てきました。
胸水にも耐えてきました。抗がん剤を打つためにはポート挿入手術を受けることにしました。
部分麻酔で30分余りで終わりましたがその時の様子を妻は、
こう書き残していました。

(はじめ予定していた胸には出来ず、右足大腿に変えられ細い管のすすみ方を見ました。これがこれからする抗がん剤の強さに負けない人口血管が入った訳だ。)
退院の時にはポートと言う金具が身体にある証明カードをもらいました。
これでまた抗がん剤の治療が受けられるのです。
12月になって久ぶりの抗がん剤治療の日がきました。
腫瘍マーカーは1340に跳ね上がり今までの最高を記録していました。
点滴方法も少し変わり緊張感もありました。
妻の治療はこれからも続いていきます。