虹の橋と白い鳩(14)  

     ホルモン・放射線治療

退院して10日目、ホルモン投薬が始りました。
5年間を約束されました。
生き続ける大きな力なのです。
続いて放射線治療の始まりです。土、日を除いて毎日の通院です。
治療時間はわずか5分ですが毎日が大変でした。

私は仕事のシフトを調整してもらってできるだけ一緒に行きました
決められた治療方針を真面目にこなしていけば、
完治すると思うようにしました。
治療が終わると妻は同じ患者の方とよく話合っていました。
自分の体験を聞いてもらっている事で、気がまぎれて嬉しかったのです。
癌の告知を受けておびえている仲間に少しでも
励ましてあげる事になればと悩みも聞いてあげていました。

妻にとってこの時間が楽しくうれしかったのでしょう。
傍で私はずっと待っていました。
それは25日間続きました。

妻は仕事を休ませてもらって治療に専念し、
日常の生活をコントロールしました。
夏の暑さの中で畑に行って野菜作りも楽しみました。
でも体のきつい日もあったはずです。

きゅうり、トマトを2人で育てることに笑顔一杯でした。
その畑を提供してくれたのは長男のバイト先の修道院です。
病気は少しずつでも治っていく事を信じ実りの秋がきました。
放射線治療も終わりました。
形成外科にも行きました。
そして普段と変らないお正月を迎えました。