虹の橋と白い鳩(10)  

      入院生活

手術から3日目。
やっと話ができるようになりました。
バンダナをつけた妻はさすがに病人の顔でした。
手術中何処をどうさ迷う歩いたのかベットにいるのが不思議なくらいで
ゆっくりでも話し合えるのが嬉しくてたまりませんでした。

明日のことは{どうでもいい}と思いました。
今こうして生きている事が素晴らしく感謝の気持ちで一杯でした。
お医者さん看護師さんを信頼して妻の身をあずけることを決意した瞬間でした。


悪い所は全部取ってしまって今こうして生きているのだから後は
治る事しか考えられませんでした。
癌の悪魔には乳房のすべてを授けます。
もうこれで許して下さい。
その時、妻は大事なお乳の無くなった体を見ることはできませんでした。