「私の青春は神楽です!」きっぱりと笑顔で話してくれるのは広島市市立商業高校(東区牛田新町)3年の中野遥希さん(17)です。
小学校5年の時お祭りで神楽を見て、その舞いに憧れた。それから「あおぞら子ども神楽団」(安佐南区川内)の練習場に通い始めた。神楽の太鼓や笛の音色に励まされ、舞の面白さと楽しさが身につき、子ども達のリーダー役にまで成長した。
私が初めて舞台を見たのは中学卒業前の「滝夜叉姫」の大王役だった。「高校生になっても続けたい」と約束してくれた通り、得意の役を後輩に譲り、新しい演目の「大江山」の源頼光を引き受けた。酒天童子を征伐する大役である。その魅力ある舞は、各地から上演依頼がくるほど上達し、神楽団自慢の演目に育てあげた。
大太鼓もできるが「八岐大蛇」の大蛇も舞う。年間60以上の公演をこなす。中学を卒業しても神楽ができるようにと昨年の秋には、大人神楽「上中調子神楽団」の発足にも携わった。神楽が面白くてたまらない。そして他の神楽団の公演の鑑賞にも余念がない。
「初心を忘れず。もっと上を目指して頑張ります」その意気込みは新しい神楽道を開く魅力をもっている。 (原畑忠則)