*中国新聞HPより転載しました

    ピカドンたけやぶ 合唱祭で平和願う
 
広島市東区牛田新町の牛田公民館は7月28日、『ピカどんたけやぶ音楽祭』を開いた。

 東区在住で詩画家のはらみちをさん(84)の絵本「ピカドンたけやぶ」をテーマにした音楽祭で「牛田オカリナーズ ポポ、牛田婦人会 ポピーコーラス、生協ひろしま虹のコーラス、国鉄広島ナッパーズ」など地元の合唱団の8組が平和への祈りを込め、会場いっぱいに歌声を響かせた。

 三回目の出場になる国鉄広島ナッパーズの熊谷勇二さん(74)は「いろいろなイベントに参加させてもらっていますが、地元の音楽祭は格別の思いがあります。来年も参加し交流を深めたい」と話していた。

第2部は音楽祭代表のはらさんが「今、風が吹いています。音楽祭の輪が広がり、平和な世の中であってほしい」と声高らかにメッセージを述べた。会場には牛田竹細工クラブが手作りした竹筒が飾られ、平和を願ってキャンドルがともされた。

 続いてピカドンたけやぶ合唱団と牛田在住の小、中学生の朗読と合唱による『ピカドンたけやぶ』を上演した。『ぴかドンたけやぶ』は 被爆した少年を連れた母親が竹やぶに逃げ込み、自生するツワブキの葉で少年のやけどを治す物語。はらさんが被爆者たちの証言を基に1983年、絵本にした。

最後に参加者全員がステージに並び、はらさん作詞の「へいわ」・「ねがい」を歌った。音楽祭は、はらさんが被爆60年の2005年8月、「ピカドンたけやぶ」の合唱劇の発表会を同公民館で開いたのを機に、地元の合唱団体なども協力して毎年続けられており、昨年までは合唱祭と呼ばれていた。 (原畑忠則)