インデックス投資の著作で有名な山崎元氏の著作を
紹介します。

この方は、金融の世界を渡り歩き、

現在は経済評論家、ネット証券会社客員研究員、大学教師

をなさっています。


本書の対象はあくまで投資の初心者です。

趣旨としては下記になります。


(1)極めて簡単だけど

(2)現実的にはほぼベストに近く

(3)無難なお金の運用方法


全面改訂 超簡単 お金の運用術 (朝日新書)/朝日新聞出版
¥821
Amazon.co.jp

具体的な資産配分はこういう感じです。



①普通預金(生活費の3か月分を確保する)


②リスク運用マネー



 ・TOPIX連動型上場投資信託 (コード1306)(ETF)


 

 ・SMTグローバル株式インデックスファンド (インデックスファンド)


 

 2つに余裕資金の50:50の割合で投資する。


 

 リスク運用マネーの定義とは

 無リスク運用マネーより平均5%利回りが高いが、最悪の場合

 1年で1/3が失われる可能性がある金融商品です。



③無リスク運用マネー

 

 ・個人向け国債(10年満期)

 ・ネット証券のMRF(投資信託の一種)



そして、NISAや確定拠出年金を最大限利用するというものです。





金融のプロが書いた投資本ですが、意外と思ったのは

著者が投資だけを特別な資産構築方法とは看做していない

と思われる記述です。


「人生の豊かさに重要な六つの要素」と銘打って、

稼ぎの多寡、支出・貯蓄の習慣、住居・不動産や保険を

資金運用よりも上位に置いています。



また、若い人は


これから長年に渡り収入を得られる見込みがあるので

人的資本が大きい。


しかし、貯蓄・株式の所有額が少ないので金融資本が小さい。


老人は人的資本は残り少ないが、金融資本が大きい。


さらに、


現在の年齢から余生を見越して一生涯で必要になるお金(負債)

をリライアビリティと名づけ、リライアビリティの大きい、少ないによって

投資活動のリスクを取る度合いを考えるべきであるという記述を

しています。


「若い時はリスクを大きくとり、老人に近づくほどリスクを小さくする」


ことが投資の常識だと信じてきましたが、リライアビリティの少ないのは

老人の方なので寧ろ反対の手法が有効なケースもあるのかも

知れません。


当然だっと思ってきたセオリーに対しても常に考える習慣を

持ち、建てた投資プランも修正していくことも時には必要だと

本書を読んで思いました。