戸田さんの解説講演聞いてきました。

ヤバい。
深い。
勉強になった。

またどこかでやってほしい!













フランス堅かった。
バナナで釘打てるぐらい堅かった。
でもGLは自由きままな感じの組織だったのがここにきてあれだけ組織的に我慢強くやれるとは。

フランスの勝因はルカク周辺のエリアをガッチリと塞いだところ。ディフェンスラインは押し込まれてもペナ前で踏み止まり、その前の中盤と密接な距離感でボールどころか人すらも入り込むスペースを消していた。これによりルカクに入る縦パスは数本しかなく、アザールに至っては得意のアタッキングサードでボールを受けられず、下がったポジションからボールを受ける場面が多かった。それでも終盤は独力でで打開する場面もあったのはさすがだが。

フランスはカンテが中盤を締めたのは勿論、ポグバも自分のエリアに入ってきた選手に対して意識的に早めのアプローチをかけていたためデンベレなんかは入って来れないどころか、自慢のボールキープ力も圧力におされてロストする場面が多かった。
そしてマテュイディは守備ではサイドから内に絞ってインサイドハーフに近い役割をしながらも、攻撃時には左サイドを駆け上がりグリーズマンが中に入りがちなのをバランスを取っていた。今のフランス代表のシステムは攻撃時は4-4-1-1、守備時は4-3-3のような感じだが、それもマテュイディの柔軟なポジショニングと自陣深くから相手ゴールタッチライン際まで走る走力があって成り立つ。
これにより攻撃時左サイドは補完され、グリーズマンはジルーの近くでプレー出来フランスの攻撃にタメが作れるようになる。これによりポグバも中盤のミドルゾーンを自由に活用できることにより本来のダイナミックなプレーを存分に披露できる。ユナイテッドでは前にルカクしかいないから前目の仕事が多くなるため能力を発揮しきれていないがこれが本来のポグバの適正ポジションだと思う。
そしてムバッペ。本当に速い。それに速いだけでなく周囲を使うのも上手いし、スピードを利用するタイミングが抜群。この選手がいることでフランスはカウンターで攻めきれる自信があるからあれだけ守備的な戦い方をすることが出来た。
このゲームフランスはディフェンシブすぎる、と言われているが、ここまでベルギーの攻撃を無力にさせたのは中盤と最終ラインのコンパクトさと相手に対しての寄せの早さによる守備のオーガナイズがしっかりとしていたところだと思う。

ベルギーはこのゲームは自らの策に溺れたように感じた。ムニエに代わって入ったシャドリに同じような仕事を期待するのは酷ながらもそれなりの役目は果たしたと思う。
問題はヴィツェルと組ませたデンベレの起用の意味とフェライニのポジション。
デンベレの特徴はボールキープ力を活かしたタメを作れるところ。しかしこれは相手がそれなりにプレスに来たところをいなすことで活きるが、あれだけ引いたフランスには無力で、挙句には見たことのないぐらいのボールロスト。正直後半頭から代えるかと思ったがマルティネスは割り切れなかった。
フェライニもアザールがワイドに開けば中にいるがアザールが中に入るとサイドにポジショニングを置く。序盤アザールは左WBのようなポジションを取りフェライニがハーフスペースにポジショ二ングするという配置にどこまでのメリットがあったのかは不可解。日本戦などでフェライニを相手SBのところに配置したのが成功したため、このゲームもその戦い方をしたのだろうがあれはあくまで変化をつける意味で機能していたのであって基本ベースとして配置しても相手には何の恐怖もない。
攻撃陣もGLから散見されてたが全体的にボールを受ける動き出しが少ない。デブルイネという世界トップのパサーがいるのにもらうための動きが少ないために足元に繋ぐパスが多く、このような膠着した状態ではアザールのドリブルでしか打開策が見つからなかった。それでも今までは強烈な個の力で圧倒してきたから露見しなかったが、これだけ守られるとなかなか切り崩すことは出来ない。
交代策もデンベレからメルテンスを入れることで右サイドが活性化したが、それによってボールが中に入り出したところをフェライニを代えてしまったのには理解に苦しむ。もうあの場面は3バックの一角(スピードのないコンパニが良いかな)を削って前に人数かけるべきだった。終盤ベタ引きのフランス相手に後ろが3人しっかりとポジショニングしているのは試合を諦めたかのようにすら見えた。あれだけスペースないところでバチュアイに何を期待していたのだろう?
あそこまでの展開でいったら後ろは怖いが2バックにして右シャドリその前にメルテンス、左はカラスコその前にアザールで2人で切り崩す。そして中はルカク、フェライニで高さで勝負するしかなかったと思う。
マルティネスは日本、ブラジル戦とさすがの采配をしていたが、この試合は奇をてらった策のはずが空回りし、挙句に交代のカードも何の効果も持たなかった。
手駒が多すぎたゆえ、策に溺れたのかもしれない。
いよいよ残り3試合。
3決入れると4だけど。

この勝ち残りはまさかまさかの展開。
でもここまでの戦いを観ると運でも組み合わせでもなくしっかり力のあるチームが残ってきた印象。

まずはフランス。

フランスはここまで万全な戦いぶり。
若い戦力ながらも各ポジションに実力者が入り、これまでは危なげない勝ち上がり。

ウムティティ、ヴァランのクラシココンビは補完性も良く相性はバッチリ。パバール、ルカのSBも守備能力は高いのでカンテを含めたディフェンスラインはほぼ完璧。やや苦戦したアルゼンチン戦でも完璧に崩された場面は少なく、穴はほぼ見つからない。
中盤も前戦はトリッソが入った3センターでグリーズマンがやや左に入るような形。もちろんグリーズマンがジルーの近くに入ったほうが攻め手は増えるがそのぶんボールの引き出しや守備に追われてゴールから離れる場面があることを考えればこのシステムもアリ。
攻め手は基本、ジルーにボールを当ててそこからの展開。比較的大きく展開するような中盤の選手はいないためショートパスとサイドを使う攻撃。
ジルーに当てて、ムバッペは低い位置ならスペース見つけて独力で突破するし、高い位置ならワンツーを駆使してサイドを突破する。
グリーズマンはここぞというときはゴールに向かうが、ほぼジルーとムバッペ、ポグバとのリンクマン的な役割が多い。そこに左SBのルカも絡んできての展開。
しかし全体的には最後のところは個の力に頼りきりな場面が多い。まぁそれだけ切り裂ける能力のある選手がならんでいるのだけれど。

対してベルギー。
ベスト16の日本戦で緩んだ手綱が締まったような感じでブラジル戦は完勝した。
日本戦とは打って変わって連動性と集中力が高まってあのブラジル相手にしっかりと戦えてた印象。
日本戦までは3バックだったが、ブラジル戦は4バックで、攻撃時には3-5-2になっていた。左のシャドリは守備時はインサイドハーフになるが、攻撃時はワイドに開きWB然として変則的なシステムになっていた。
デブライネもこれまで中盤センターで前戦と距離があったが、ブラジル戦はトップ下に入りルカク、アザールにより近い位置でプレー出来ていたことで能力を発揮できていた。やはりデブライネはこのポジションが最適だろう。展開力とボールの持ち出しは底でも活きるが、よりゴールに近い位置にいたほうが活きるのは間違いない。

さて今日のゲーム。

ベルギーとしてはやはり右のムバッペを抑えたいため4バックでくるのではないか。左にヴェルトンゲン、真ん中にヴェルメーレン、コンパニで右にアビレルワイレルド。これで両サイドに蓋をして、仮にグリーズマンとジルーの2トップでこようとも、ベテランCBは縦の動きには強いためそうそうやられることはない。中盤の構成が難しいところ。前戦はルカクを中央にシャドーにアザール、デブライネか、ウイングにアザール、メルテンスか。この構成により中盤の構成も変わってくる。フランスは特別中盤に展開力がある選手はいないからヴィツェル、フェライニでガチガチ固めて、デブライネをなるべくフリーでボールを持たせる状況を作りたい。ここはカンテとデブライネの勝負になってきそう。
フランスも守備は堅いが正直これまで押し込まれる展開は少なかったからもしそのような展開になったときに冷静に耐えられるかどうか。若さゆえに後手になって耐えきれないと一気に決壊する可能性もある。そのためにはやはりデブライネを抑えること。
カンテがデブライネを見続けられればよいが、中盤で数的不利になるとどうしてもデブライネが浮いてしまうだろう。なのでウルグアイ戦同様トリッソ置いた3センターでいくのかな。
そうなると左SBのルカのオーバーラップは必須。彼がどこまで上がり切れるかでグリーズマンの仕事が大幅に変わってくる。逆にベルギーはグリーズマンを隔離できればフランスの攻撃は半減するのでルカの上がりを抑えるために縦に圧力のあるシャドリ、カラスコを右サイドで使う可能性もある。

いづれにせよ、同じようなフィジカル能力をもって守備の堅さに特性のあるチーム同士なので堅い試合運びになる可能性が高い。

やはり肝はカンテとデブライネの当たりだろう。