【そこまで言って委員会np】 8月7日放送分、長谷川 氏や筆坂氏の持論 に反対する辛坊・猪瀬・須田 各氏の各論を検証、反論してみます。

長谷川論 
国の借金1000兆円はウソ。
バランスシート上は債務と資産があり、相殺すると債務はほとんど無い。
日銀が386兆円ほど国債を買っているので国の債務は減少している。

須田論
日銀(中央銀行)は政府の連結(決算)対象というのはウソ。
連結対象にしている国など無い。
ならば、すべての借金をすぐに返せばよい。できないのは何か理由があるから。

猪瀬論
財政規律が大事。ばらまき政策はダメ。
政府がやっていることを民間に移さないと大きな政府になってしまい、問題だ。

辛坊論
資産にも売れない物がある。
ギリシャは金(資産)がなかったわけではない。パルテノン神殿など売れない(笑)


では・・・


対 須田論
日銀は紛れもなく日本政府が資本金の55%を保有している日本政府の子会社です。 日銀法で日銀決算で余剰金が出た場合は国庫に返納することになっています。
また、国債をすべて買い取らないのは、金融市場における影響が大きくなってはいけないからです。日銀の一義的な目的は、「『物価の安定』を図ることと、『金融システムの安定』に貢献すること」 です。
政府の負債を解消するために物価や金融市場が混乱することは、倫理的にも法律の主旨(日銀設立の目的)としても間違っているからです。
結局、実質的な国債発行額は減少しているのです。

対 猪瀬論
この言葉を聞いて、「あー、猪瀬さんはミルトン・フリードマンの『資本主義と自由』の信奉者なんだな。」と感じました。
つまりは新自由主義、政府の仕事を最低限にし(小さな政府)、個人の自由を重んずる、経済も市場にまかせると言う理屈です。
だからこそ、小さな政府・財政規律重視を口にするのでしょう。
フリードマンは 「インフレは、いかなる時も貨幣的現象である」 と言っていますが、しかし、マネタリーベースが過去最高額になっている現状でさえ、デフレが是正できていない現状を見ると、やはり政府による需要創出(財政出動)は必要だと断言できるのでは無いでしょうか。
ただし、猪瀬氏が言うように「ばらまき」はダメです。以前やったような、商品券や給付金をばらまくのは、その乗数効果、実効性に疑問符がつきます。

対 辛坊論
最低の暴論であり、理論のすり替えです。
確かに政府のバランスシート上の資産には売れない物があります。
しかし、決定的に認識が間違っているのは、ギリシャの財政が破綻的に陥ってしまったのはパルテノン神殿を売却しなかったからではありません。
また、ギリシャ人が怠け者な訳でも公務員が多いからでもありません。
EUに加盟してしまったために、政府の負債をユーロという自国の通貨ではないお金で借りてしまい、結果的に外国の言いなりにならざるを得なくなった。自国の通貨や、国としての権利を持てず、財政・経済政策さえ行う事ができなくなったからです。
【オピニオン】ギリシャ危機、金融メディアが語らない10のこと
http://jp.wsj.com/articles/SB10468926462754674708104581085121389238598
こう言った事実を見ようともせずに、パルテノン神殿は売れない資産=日本政府の資産も売れないのだから、日本は破綻する」 などという刷り込みを行おうとする辛坊氏はむちゃくちゃです。


以上、いかがでしょうか? ご意見を頂ければ(さらに、自己ディベートの訓練になりますので)幸いです。

次回は、筆坂氏が主張した「政府の借金、貸し手は国民」に対して、反論した辛坊氏の主張を検証してみたいと思います。

>>続く