先日、インスタ、FB、ツイッターに小学生に昭和20年3月10日の東京大空襲を題材にした絵本を読んだことについての投稿をし、その時のキャプションに

今回は本読みのテーマが「戦争」と言う事だったので悩みました。ただ、「戦争は恐い。」「戦争はイヤだ。」との印象を与えてしまってはいけないのでは無いか?と。
また、広島ではどうしても原爆を主とした戦争体験談が多く、他の地域でも大変な事があったんだよ・・とも伝えたくってこの本を選びました。
悲惨で悲しいお話しですが、「どうしたらこんな事が起こらないか?」を考えて欲しいと伝えながら読ませて頂きました。

 と、記入したところ

(前略 赤字の部分の)意味がよく分かりません。私は「戦争は怖いもの。イヤなもの。」と信じています。それが世界の常識だと思います。

私は大学時代&大学院時代に、多くの教授から歴史の講義を受けました。だから、中学・社会&高校・地理歴史の教員免許を持っています。私は学生時代に学びました。「東京大空襲は、敗戦が決まったいたのに、昭和天皇が1945年2月14日に「もう一度、戦果を挙げてから…」と言って、戦争を続けさせたから起こったのだ」と。山本さんは、どのように考えますか? 近衛上奏文の資料→ https://ja.wikipedia.org/・・・/%E8%BF%91%E8%A1%9B%E4%B8%8A・・・

 とリンクをはっての返答の申込みを頂きました。
 ・・・なので、この場で私の考えをまとめておきたいと考えたものです。

 まず初めに申し上げておかなければならないのは、私がこの種の討論を行う場合、多くの勉学を重ねられたことには敬意を払い、尊重を致しますが、相手の方の教員免許所持云々は一切 関係有りません。
 私にとって、仮に相手が大学の教授であろうと、市長であろうと、国会議員であろうと総理大臣であろうと大統領であろうと全く関係ないのです。
 何故なら、平和のあり方や戦争を回避するための議論や討論は等しくすべての国民に行う権利がありますし、国民それぞれが、すべからく歴史を勉強し、それぞれの見識を持つべきだと考えているからです。
 
 さて、ただ、「戦争は恐い。」「戦争はイヤだ。」との印象を与えてしまってはいけないのでは無いか? 』 についてですが、「戦争は怖い、起こしてしてはいけない。」を否定している訳ではありません。
 「それだけで終わってはいけない。」 と言っているのです。

 少し噛み砕いて説明します。
 実は、私はこの手の物語が苦手(・・というか嫌い)です。


 何故なら、大東亜戦争末期の非常に悲惨な情景を描写し、「戦争は怖い、イヤだ、悲惨だ・・・etc」 を感じさせるにとどまっているからです。
 以前にも書きましたが、同じことは 「はだしのゲン」 などのマンガやアニメにも感じます。

 理由は、これらの作品には悲惨な描写はあるものの、この様な状況にどうして陥ったのか?、この様な状況に陥らないためにはどうすべきだったのか? が全く示されていないからです。  

 なぜ、戦争に負けたのか? → なぜ、原爆が投下され、東京大空襲を許したのか? →なぜ、サイパンは陥落・玉砕したのか?→なぜ、ソロモン海戦や南太平洋海戦で負けたのか?→なぜ、ミッドウエー海戦で負けたのか?→なぜ、真珠湾攻撃をおこない、だまし討ちと言われたのか?・・・・どうして開戦せざるをえなかったのか?→なぜ、国民は開戦を許したのか?その様な世論になったのか?等 一連の結果に至るまでのプロセスは歴史的に検証することができますし、同じ悲惨な歴史を繰り返さないためにも「怖い、イヤだ!」で思考を停止してしまってはいけませんし、上記の作品にはこれらが全く示唆されていません。
 これだけでは、読んだ人(とりわけ子供達)はそれ以上、考えを深める事がない(難しい)と思うのです。

 思考停止・・・これこそ多くの犠牲を払ってきた先人に申し訳ない事だと思うのです。

 冒頭の質問で なぜ近衛文麿の昭和天皇への上奏文へリンクが張られているのかを察すると、ひとえに 「昭和天皇が悪い。」とレッテルを貼っており、そうと決めつけておられるのように感じます。
 大日本帝国憲法において天皇大権という広範な権限を持っていたのですから、気持ちは分かりますが、それだけですべてを昭和天皇の責任にしてしまっては思考停止しているとしか思えないのです。 では、当時・・・

 ・国民の意思(世論)はどうだったのでしょうか?
 ・当時、メディアの主流の新聞各社の対応はどうだったのでしょうか?
 ・リンクにある近衛文麿はどうして戦争へと舵を切ったのでしょうか?
 
 etc・・・問題はもっと複雑なはずです。

 話しが少し脱線してしまいましたが・・・

 私(山本 和臣)は私の信念において、「多くの犠牲を出した先人、現在も苦しんでおられる方々の経験を生かし、ムダにせず、同じ悲惨な歴史を繰り返さないこと。」 これが平和な現在の日本に生きる我々の義務であり責務だと断言します。

 なので、「将来、同じ失敗を繰り返さないような思考を子供達には持って欲しい。」 との思いと気持ちを込め、「どうしたらこんな事が起こらないか?」 を考えて欲しいと伝えながら、今回は本読みをさせて頂いたのです。

 気分を害される方も多いかも知れませんが、私(山本 和臣)の考えにおいては、ただ、「戦争は怖い、イヤだ!」で終わることは、イコール 思考停止 していることと同じだと言わざるを得ないのです。

 以上が私(山本 和臣)からの返答になります。いかがでしょうか?