初めに誤解が無いように申し上げますが、舛添都知事のことは個人的に嫌いだし、政治家としても不誠実で尊敬できないタイプの人物だと思っています。
 「こんな人が日本の首都 『東京都』 の知事だなんて嫌だな。」と思いますが、残念ながら都民ではない私には都知事を選ぶことはできませんし口を挟むべきでも無いのかもしれません。

 しかし、今現在 テレビを初めとする各メディアが行っている事は明らかに一定のルールを逸脱していますし、一種のいじめに近いのではないか?とも感じています。

 例えば、昨日あたりから頻繁にメディアで取り上げられている、海外視察に関わる資料に「黒塗り」部分が多かったことを「疑惑」と批判する論調です。

 一般的に情報公開条例に基づいて資料請求を行った場合、一定の理由により、資料の一部が黒塗りされてでて来ることは良くあることです。
その理由は、個人が特定されたり、公の利益に反する場合など様々ですが、今回は「今後の都の契約事務の適正な執行に支障をきたす」恐れがあることが報じられていました。

 この時点で(すでに)メディアは「疑惑」と報じているのですが、これはあまりにも早計な判断であり、本来ならばその前に法にそって情報公開審査会に出された資料に不服があるとして審査請求を出すべきなのです。
 それでも出て来ない場合は住民投票や裁判などの手段に訴えることも有るでしょうが、そこまでやらずに「疑惑」や「闇」などと報じるのは明らかにミスリードを誘う卑怯なやり口です。
(しかも、現職の自民党の政調会長までもが、この時点で疑義を口にすることは、「本当にこの人は法律家なのか?」と思うくらいです。)

 また、この黒塗りが現時点で違法性があるわけではなく、しかも、舛添知事が個人的に塗りつぶしたものでも有りませんし、政党助成金の流用とも関係有りません。

 さらに、100歩ゆずって黒塗りの部分によって税金の無駄遣いが明らかになったとしても、それは 「即 都知事は辞めろ!」 というレベルの問題でなく、決算委員会や予算委員会で議会が指摘をし、正すべき問題なのです。

 今のメディアが扇動している世論は 「選挙」 という民主主義のルールで選ばれた人を 本筋から外れた 「疑惑」 というレッテルをはる事によってやめさせようとしている民主主義の根幹から外れた行為では無いでしょうか?

 もう一度 最後に言いますが、私は舛添さんは不誠実な人だと思っています。 しかし、決定的な違法性が指摘をされていない状態で 「疑惑」 というレッテルを貼ることによって辞職を迫るという手法は、なんだか 「いじめ」 そのものでは無いかと感じてしまいます。