大阪市民でもない 山本 が、いわゆる「大阪都構想」=実際は「大阪市分割・解体構想」について頻繁に書き込みを行うのは、やはり、地方議員として活動していての疑問や、これが仮に施行された場合の今後の地方行政のあり方に思いを馳せるから。
 
 今までも、賛成・反対は(山本が)大阪市民か否かで立場によって変わる事を申し上げてきました。。。ので、今回は、ちまたで言われている「大阪市分割・解体構想」についての最大のメリットと言われる 「二重行政の解消・ワン大阪・豊になる」 を客観的に書き出し、考えてみたいと思います。

・二重行政の解消
【大阪市民】 政令市ならではの権限(都市計画や教育の独自性など)を失い、大阪府が行う。財源も失い、大阪府へ。大阪府からは旧大阪市以外の自治体にも予算を分配するので、旧大阪市民の為の金額は減少。

【他の府内の市民】 上水道や下水道料金は大阪市が圧倒的に安いので下がる可能性有り。(旧大阪市は絶対に値上げしないと市は言っている)
大阪市の財源が府に入るので、府費での整備箇所が手厚くなる可能性有り。

・ワン 大阪
 ちなみに 「ワン 大阪」 のキャッチフレーズは偶然の産物なので、事の本質を表していません。 同じ200万人以上規模の政令市、横浜市や名古屋市、札幌市を解体しても横浜都、名古屋都、札幌都とはならないのと同じ。そして、同じ政令市の境市はそのままなので一つにはなりません。

・豊になる
 大阪都構想のPRホームページ(http://oneosaka.jp/tokoso/)には、東京は70年も前に特別区を設置したから今の反映がある様に表現されていますが違います。 東京の反映は戦後の 中央集権制度による国家権力の集中とそれによるインフラ整備、企業の集中、人口の集中、つまり、「富」の集中により、築かれたものです。
 
道州制を切っ掛けにこの「富」を地方に分散させ、地方経済を活性化させるというなら分かりますが、一地方自治体の行政の仕組みを変えただけでは劇的に豊かになることはありません。 なぜならば、特別区を作っただけで大阪府内に「富」が自動的に流入して来るでしょうか? あり得ませんね。


 ある方に、「山本さんは道州制に賛成しているのに、なぜ、『大阪都』 構想に反対なの?」 と聞かれました。
※反対じゃなくて、「立場によって賛否が変わる」と言っているだけなのですが。
 
 答えは、山本の考える 「道州制」 とは、中央集権制度を解体し、地方に権限を分散させる。それに伴ったインフラを整備し、東京に一極集中している 「富」 も分散させる事が目的だからです。
 この事は全く 「道州制」 と 「大阪都構想」 に共通項を見いだせません。
 百歩ゆずって 「大阪都構想」 に莫大な経済効果があったとしても(ありませんが)地域地域の大都市に権力と財源を集中させ、地方にミニ東京を作るだけの安易な政策には同調できません。


 最後に、よく賛成派の方などが発信しているのですが、

「とにかく変えなければ始まらない!」
「たった一度の大阪を変えるチャンス!」
「一度やるだけやってみよう!」
 
・・・等という考え方は、とても危険です。

 何故なら、その言葉には全く具体的な理論がなく、情念的だからです。
 一般市民がそう発信するのは仕方がありませんが、少なくとも政治・政策提案を生業としている政治家がそういう発信をしてはいけません。

 これは、とっても罪深いことだと思います。