■□■□■□■□■□さて、フェリー船に乗ったことのある人は良く知っていることでも、初めて乗るって人はいろいろと心配事があると思います。そこで、私の経験を含めて、フェリー利用のノウハウをつづっていこうと思います。


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1) どこで予約をすればよいの?

2) いつごろ予約をすればよいの?

3) キャンセル待ちはできるの?

4) 出港日にはいつまでにフェリーターミナルに着けばよいの?

5) 乗船手続きは?

6) 売店では何を売っているの?

7) 食べ物や飲み物は持ち込めるの?

8) 船内に持って行くと便利なものは?

9) 途中で車に荷物をとりにいけるの?

10) 台風が来てるようだけど大丈夫なの?

11) 消灯時間ってあるの?

12) 授乳室はありますか?

13) トラックの運転士さんと一緒なの?

14) ゆれますか?

15) 混んでいますか?

16) 車のデッキ(車輌甲板)って広いの?



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1) どこで予約をすればよいの?


各運行会社のHPを見てください。

たいていの場合、インターネット予約が可能です。インターネット割引がある場合もあります。

予約センターへ電話することで、予約取得もできます。


各フェリー会社のHPはこちら

電話とインターネットどちらが有利?

電話は回線数が限られているので、早く部屋を押さえたい場合はネットが有利。割引の点でもネットに軍配。

搭乗者の名前、性別、年齢、介助の要・不要、車輌の長さ、車名、登録番号などの欄をすべて埋める必要があるため、発売開始直後に売り切れるような人気の個室を予約する場合は、あらかじめ練習しておくことも必要。


クレジットカードがあれば、手続きは簡単。

現金の場合には、期限までに振込みが必要。期限を過ぎると、キャンセル扱いになってしまうので注意。


2) いつごろ予約をすればよいの?


人気の航路、これは夏休みの「さんふらわ」のこと。東京→北海道を楽して(車での移動距離を最小限にする)フェリー旅は知名度抜群。たいていのフェリー予約は、たいてい予約開始が2ヶ月前の朝9時からなので、個室で夏休みに大洗→苫小牧に乗船するには、この時間帯に申し込みを完了するしかない。

去年、エコノミークラスしか取れなくて苦労したのも、発売開始当日に朝学生実習があり、夕方申し込もうとしたらすでにsold out叫び!別に7/25くらいの出発日だったので、お盆休みほど希望者殺到というわけではなかったはずでしたが、時すでに遅しガーン

他の航路でも同じように、個室、寝台、車、2等の順番で予約が埋まって行くようです。


本ブログでご紹介したように、自動車で走る距離が短くてすむ「さんふらわあ」は首都圏の人の利用が多く、夏休みの個室は即日完売。ということは、夏休みにこれを利用するにはその2ヶ月前から、仕事の休みをとる計画を立てていなければならないわけです。


他の航路は比較的とりやすいので、お盆などの時期を除けば個室を押さえるのも少し楽かな。

でも早いほうが間違いないかに座


3) キャンセル待ちはできるの?


前述、さんふらわあはキャンセル待ちもインターネットで可能。

でも、昨年の夏は2ヶ月待ったけど、結局キャンセルは出なかったけどね。


他の運航会社のはコールセンターで確認してみてください。

ちなみに、シルバーフェリーでは、キャンセル待ちは不可となっています。直前にチェックしてあいている場合、通常の申し込み方法で受け付けてくれるそうです。


下記は新日本海フェリーのキャンセルチャージです。


出航 7日前まで:  200円

出航 2日前まで:   10%

出航時まで:      30%

出航後:        100%


ということは、1週間から10日前にチェックするとケースによってはキャンセルが出る、また2日前にもキャンセルが出やすいことがわかります。


もうひとつは、出航直前にもキャンセルが出そうなことも予想されます。交通渋滞や突発事故で乗れない場合には、電話ひとつで70%でもお金が返ってくることわかっていたら、とりあえず電話しますよね。乗船直前ということで、当日キャンセルが出るか出ないかはあらかじめわかりません。


この場合は、とりあえず2等など取れるクラスを確保しておいて、乗船直前あるいは乗船後”クラス変更”を申し出ること。この方法だと、最悪雑魚寝でもプランは遂行できますし、運がよければ当初の希望通りということになります。

実際3年前の夏、寝台が満席で申し込めなかった苫小牧→八戸の夜行便で、乗船後変更ができ満足な船旅を送ることができました。


4) 出港日にはいつまでにフェリーターミナルに着けばよいの?


通常、1時間半前が原則です。さんふらわあは、夏の繁忙期は2時間前にくるようにHPに書かれています。

乗船開始はたいてい1時間前なので、そんなに前に行くとかえって疲れちゃうんじゃないの?と思われる方も多いと思います。確かに、待ち時間は短いほうがよいに決まっていますが、意外と時間はつぶれるものです。 

個室であれば早めに乗っても船内探検できますし、復路はターミナルではひとおおりの北海道土産を売っていますので、買い忘れたおみやげを購入することもできます。


車の積み込みの関係で、早めに来るように言われますが、実際は1時間前でもOKと思われます。直前何分前までOKかは試したことがありませんが、どうしても遅れそうなときは、電話で問い合わせる、だめなら覚悟をしてキャンセル(お金の一部でも返ってくるのは不幸中の幸い)を申し出る、といった対応が必要。


1時間前を切って到着したときは乗せてもらえましたが、周囲は全部トラックで、けっこう異様な体験でした。


当日の心得は、シルバーフェリーさんふらわあ に載っています。


5) 乗船手続きは?


乗船手続きに必要なものは、乗船名簿車検証、クレジット払いなら使用したクレジットカードです。


乗船名簿は、HPからダウンロードしておいて記入しておくと手続きがスムーズに進行します。HPからの予約の場合不要としている運航会社(新日本海フェリーなど)もあります。


車検証は、車の長さを確認するのに必要です。

今年の夏は、手続きをしようとしたら車検証がダッシュボードに入っていなくて大慌て叫び。昨年末車検をコバック で通したときに、後から送られてきた車検証を車に積み忘れていたのが原因で(帰京後、封筒から発見)。それまで、交通切符を切られることがなかったので、車検証を出す機会がなかったので気がつきませんでした。


で、どうしたかというと、行きは自賠責の証書が入っていたのでそれに記載されていた登録番号(品川501-ら○○××)とその車名から、車が確認されたとしてOKをもらいました。帰りはすでに不携帯の事実を認識していたのでさすがに慌てませんでしたが、窓口の人に告げると実車を巻尺で実測されました。


予約に使用したクレジットカードが必要な理由は不明ですが、本人確認のためでしょうか?

今年は北海道旅行中に使用していたクレジットカードが、個人情報漏洩の疑いで使用不能になっていた(旅行中なので連絡がなく、途中で急に理由もなく使えなくなった)カードを出しましたが、なんのお咎めもなくOKされました。


6) 売店では何を売っているの?


ターミナルの売店では、お土産やお弁当を売っています。酔い止めの薬は薬局ではないので売っていませんから、あらかじめドラッグストアなどで購入しておきましょう。


船内では、歯ブラシ・タオルなどのサニタリー用品、北海道や出発地のおみやげ、乗船記念品、北海道のガイドブック、アイスクリームなどが売られていました。飲み物類も充実していて、意外とリーズナブルな価格なので必ずしも持ち込みをするメリットは少なそうです。


7) 食べ物や飲み物は持ち込めるの?


もちろんチェックはありません。


船内の売店では弁当類の販売はありません。自動販売機で冷凍食品を調理した食品(ハンバーガー、から揚げ、たこ焼き、カレーライス、焼きそば)などが売られています。

運航便によっては、船内にレストランが営業時間を区切って営業されている場合やスナックやソフトクリーム・カキ氷などを販売している船もあります。


先ほども述べたように、飲み物は比較的価格の上乗せがないのでわざわざクーラーボックスを持参するよりは自販機などで購入したほうがよいかと思います。


個室や給湯室がある船腹では、カップラーメンやカップ焼きそばを作ることができます。うちの子供たちは、お弁当よりもこちらの方が人気があり、節約をするならこれに限ります。


8) 船内に持っていくと便利なものは?


食べ物を節約するならば上記のお弁当やカップめんなどを持っていくとよいでしょう。


2等の雑魚寝の場合は、寝袋があれば重宝します。席が指定されていない場合にも、広げておけばある程度場所を確保できますし、マットや毛布があっても敷布団代わりに使えばさらに快適です。

予約をする際に、大人2人+小さい子供が2人の場合、寝袋があると裏技で定員2人の個室を予約できます。たいていお父さんは床で寝かされます。


2等の場合は、タオルやバスタオルがついていませんので、ぜひタオル類は持ち込むことをお勧めします。

長距離航路では、各フェリー船には展望風呂温泉がついています。入浴時間が限られている場合もありますが、入り放題の船もあります。大海原へ沈んでいく夕日を眺めながら、ひと風呂浴びるのもなかなかの感動です。

船内ですることがない大人は、飲んでビール寝て、起きたらサウナに入ってからまた飲むビール.....夢のような生活も可能です。ただし、飲酒の際は到着時刻を考えて...ネ。


9) 途中で車に荷物をとりにいけるの?


航海中はよほどのことがない限り、車両甲板は閉め切られます。

必要なものは、出航時に手元においていくようにアナウンスがあります。


10) 台風波が来てるようだけど大丈夫なの?


揺れる揺れないは別として、台風が近づくと、欠航になるかどうかが問題になります。

夏の北海道便は台風波の影響を受けやすく、HPでのチェックが不可欠です。


欠航の他、出発時刻変更(2時間程度早まること)もありますが、電話などで個別に連絡をしてもらえるわけではないので、こちらから問い合わせをするなど配慮が必要です。

いったん欠航が出ると、機材(船腹)の関係でその船をつかう帰りの便(欠航の翌日)も欠航になります。すでに台風が東方海上に去っていった状況でも、欠航を余儀なくされるます。


欠航になった場合は次の便に乗せてくれる?

もちろん、空席があれば別ですが、天候による欠航はキャンセル扱いで払い戻しがあるだけです。乗れない場合は、往路は青森、復路は函館まで行けば便数も多いので、とりあえず本州⇔北海道の移動はできます。


11) 消灯時間ってあるの?


2等船室は通常22:00に消灯・減光されます。もちろん22:00以降に出航する便は、消灯時刻時間がくりさげられます。朝は7:00ごろまでアナウンスがない、売店が開かないといった状態です。


12) 授乳室はありますか?


調べたところでは、現在授乳室を設けている船はないようです。

身障者用のトイレなどを使えば、オムツは替えられると思います。


13) トラックの運転士さんと一緒なの?


トラックの運転士さんって、ちょっとガラが悪い人が多いんじゃないの?って思っている人いないでしょうか?

けっしてそんなことはありませんが、もちろん人それぞれですので、中には見かけの怖い人もいます。

でも、彼らからすると、もっとも困るのが観光客です。だって、運転者を除けば次の日車で寝ててもかまわない、旅行に出かけてテンション高い!!集団など、次の日には否が応でもハンドルを握るプロが観光客を嫌がるのもごもっともです。


そこで、トラック運転手のために「ドライバーズ・ルーム」という区域が設けられていて、寝台が用意されています。逆に一般客はその区域への出入りが制限されています。食堂などを別に用意した船もあります。

ですので、彼らと同席するのは展望風呂ぐらいでしょうか?


14) ゆれますか?


それは船なので揺れます。

今年は往復とも天気がよかったので、ほとんど揺れませんでしたが、子供が酔ってしまった年もありました。


揺れに対する許容度には個人差があり、主観的な話しかできませんが、船が比較的大きいことから台風接近時にも、思ったほど大きな揺れにはならないようです。

台風時は意外と外洋では揺れが少なく、出航直後、防潮堤を越えたあたりが一番揺れた記憶があります。きっと水深が浅い海岸に近いとこおほど、波が高くなるためなのでしょう。


揺れには、進行方向に向かって浮き沈みするピッチングと、左右に揺れるヨーイングの2種類があり、HPによればスタビライザーによりヨーイングが少なくなるような船もあるようです。


1等・特等などの個室は、進行方向にむかってベッドの据え付けられている方向が決まっていますので揺れの方向を選べませんが、雑魚寝では寝る方向を変えれば少しはましになるかもしれません。頭と足の方向に揺れが来ないほうが酔いにくいので、なるべく左右に揺れる方法に寝るのがよいと思います。


15) 混んでいますか?


予約の2等が埋まっていときは混んでいると考えてよいでしょう。

埋まってなくても、夏期の「さんふらわあ」のエコノミーは最悪です。


実はフェリー航路には、物流が主流の航路と、乗用車が主流の航路があります。

物流が主流の航路は、意外と旅客が少なくて2等には余裕がある場合があります。

これにあたるのが、青森⇔函館、八戸⇔苫小牧、室蘭⇔青森です。

旅客が比較的多いのが、新潟⇔小樽便です。旅客に配慮して個室が多いのが特徴です。

大洗⇔苫小牧は、夏は旅客が多く、通常は物流が多くを占めます。そのため、夏のエコノミーは旅客の部分が少なく、悲惨な状況の混み具合になります。


このブログを呼んでいただいている人は、パフォーマンス/コスト(通常コストパフォーマンスと表記する)を重視する人が多いと思います。そこで、あなたが経営者と仮定して、物流について考えてみたいと思います。


実はフェリーによるトラックやトレーラーの輸送には2通りあります。ひとつは有人航送、もうひとつは無人航送です。

有人航路は我々一般客と同様、ターミナルにトラックを運転してきて、トラックを載せて、トラックを運転して下船する、パターンです。運転士の拘束時間が長いぶんだけ、コストがかかります。


無人航送は、ターミナルまでトレーラーを運転してきて、まず台車とトレーラー(積荷部分)を切り離します。そして、港湾業者(たぶんフェリー会社)がトレーラー部分だけを船に積み込みます。ターミナルまでトレーラーを運んできたドライバーは、ターミナルにある別のトレーラーを連結して、船に乗らずに荷主のところへ戻ります。いっぽう、到着した港では、港湾業者がトレーラーを上陸させ、別のトレーラードライバーが到着するのを待ちます。


つまり、無人航送が多い航路は旅客が少ないために、2等船室の乗客は少ない=空いていることになります。


また、荷主から届け先まで1人(通常は交代制なので2人は必要)で届ける場合には、以前のブログで示したようになるべく道路を長く走ったほうがコストが安く済みますので、短距離便は有人航送が多くなります。


16) 車のデッキ(車輌甲板)って広いの?


それは、広いですが、物流中心か旅客重視かによって変わります。


物流が中心の長距離便は無人航送のトレーラーが多く、乗用車は比較的少ないことになります。トレーラーやトラックは乗っている人数は少なくプロばかりですが、乗用車の乗客はほとんどフェリーに乗りつけていない人ばかりで比較的大人数です。また、ハイルーフ車やキャリア搭載のワンボックスは高さ制限で、経験上トラックと同じところに詰まれる場合が多いようです。デッキは、それらトラックに合わせて幅が作られていますので、トラックがいっぱい詰まった甲板は、隙間がほとんどなく、子供連れの利用客にとってはジャングルです。さらに隙間が狭い上に、保冷車のエンジン音が響き渡りや熱気などが押し寄せ、修羅場のような状況です。


一方、旅客が多い航路は、乗用車が優先されますのでこのようなことありません。


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どうでしょうか?

フェリーの雰囲気が伝わったでしょうか?


このなかでどうしても容認できない項目があれば、航空機もしくはJRで来道し、大きな荷物は宅急便、車はレンタカーといったスタイルで行くしかありません。