『渡邉美樹シゴト進化論』を再読していたら、
先日村上龍氏の『無趣味のすすめ』で印象に残って引用していた「部下の叱り方」についてまったく違った視点で書かれていました。

渡邉美樹のシゴト進化論/渡邉 美樹

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『無趣味のすすめ』で村上氏は「いっしょに仕事をする上で、どうして「叱る」という行為が必要になるのか、わからなかった」として、「部下は叱るのではなく教えるもの。教えてわからなければ辞めてもらえばいい」と主張されていました。

対して渡邉氏の場合は、とことん部下への愛情を持って叱ることの重要性を説かれています。

怒るというのは、その相手に伸びてほしいから、その相手が好きだから怒るんです。(中略)皆さんがもし、部下を持つマネジャーならば、部下をとことん好きになってください。そして、部下が間違ったことをした時は、愛情をもって叱ってください。部下のことを思う愛情があれば、必ずあなたの思いは通じるはずです。


また、前回は書かなかった「品格」についての両者の考え方もかなり違っています。

村上氏
仕事は何としてもやり遂げ、成功させなければならないものだ。仕事に美学や品格を持ち込む人は、よほどの特権を持っているか、よほどのバカか、どちらかだ。


渡邉氏
社会でサバイバルするために仕事力を磨くことと、品格のある生き方を全うすることは、まったく矛盾しないで同時に実現できる。もっといえば、品格を胸に抱いて仕事をすることではじめて、あなたの仕事は完結するし、お金も手に入るし、幸せになれる。



とても不思議なのだけど、実際に経営者として経験をつまれている渡邉氏が「部下への愛情」とか「品格をもって仕事を全うする」ことを大切にしているのに対して、文学者の村上氏のほうがドライに仕事に効率・成果を求めているように見えます。
普通、経営者のほうがドライ、文学者のほうが情緒的・・・とかってイメージない??
もちろん、渡邉氏も情緒的というわけではなく、非常に厳しく現実を見つめた上での主張なのですけど。


ところで、「品格」について。
品格を「まず他人の幸せを第一に考えること。他人を幸せにするべき仕事をすること」と定義している渡邉氏に対して、村上氏のほうは具体的に品格については書かれていません。
が、もしかしたら両者の考える品格は全然違うものなんじゃないかとおぼろげに思いました。
一時期「品格ブーム」なるものがあって本も沢山出ていたようですが(私は残念ながら一冊も読んでいません)、品格の具体的な定義ってもしかしたらないのでしょうか????
そういえば、大前研一さんの『「知の衰退」からいかに脱出するか』でも品格について論じていましたが、また全然違った定義だったような・・・・
(アレは『国家の品格』のみについて書いていたのかな??)