産業革命が工場から多くの肉体労働者を追い出した様に、コンピュータは事務所から知識の収納と正確な再生しかできない応用力のない人間を駆逐する・・・・という警告が書かれたこの本は、なんと、やっと「マイコン」がホビー用に広がり始めた25年前(1983年)に出版されたもの。(文庫化は1986年)
この頃って、研究所かよっぽど大きい会社でなくてはコンピュータは導入されていなかったんじゃないかと思うのですけど、どうでしょう?

記憶・計算・再生を人間以上に正確にやってのけるコンピュータに職を奪われないためには、コンピュータの出来ないことが出来なくてはいけない。
学校の「暗記と再生」重視のお勉強を素直にやってきた「グライダー人間」は出来損ないのコンピュータでしかないから、集めた知識を取捨選択し熟成できる、自ら思考できる「飛行機人間」にならなくてはいけない。
そんな自力飛行のできる「飛行機人間」になる為にはどうしたら良いか・・・というヒントが33の短いエッセーという形で語られています。

さて、25年たって、外山氏が危惧している以上に現在は知の二極化が起こっている気がします。
勉強本ブームに見るように、それに気がついている人はドンドン勉強して知的創造の技術を身につけようとしている。
その一方で、インターネットの便利さに甘え、自ら知識を頭に蓄えることすらしなくなってしまった「教えてくん」の出現。
これからどうなっちゃうのでしょうね(´・ω・`)


作者の外山滋比古先生は英文学がご専門だそうですが、日本の文章に関してや読書論などのご本が多い方ですね。お名前は知っていましたが、あまり興味をそそる分野でなかったので、外山先生の本は読んだことはありませんでした。

思考の整理学 (ちくま文庫) (ちくま文庫)/外山 滋比古

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同じ外山先生の『知的創造のヒント』も同時に買ってきたのですが読む順番間違えた。
りくらむのブログ
『思考の整理学』のほうが先に書かれたのかと思って先に読んじゃったんだよorz