「大学で学ぶべきもの」と言われたら、「専門知識」と答える人が多いかもしれません。
しかし、自分が学んだ専門の分野に進む人は(特に文系では)ごく一部ではないでしょうか?
私の場合は「インド哲学(≒仏教学)」が専門ですが、お寺さんの跡継ぎでもない限り、僧侶の道を選んだ同級生はいない・・・・様な気がする(^_^;

じゃ、改めて大学で学んだことで、今でも役に立っていること・・・というと、

・原典にあたる
・文献比較する
・権威の説であるという根拠は根拠にならない
・常識や通説を疑い、違う角度から見ないとオリジナルの学説は生まれない

といったところでしょうか。
マスコミ報道や巷のウワサ、宗教の勧誘などに接するときにもこの心構えがあるかないかで、その反応は大きく違ってきます。
それでなくても騙されやすいやつなものですから(^_^;

てことは、大学で学んだことで社会にでてもいかせること、それは知に対する接し方や分析の仕方や統合の仕方なのではないかと思い至ったわけで。
ここらへんがわかっていないと「大学で学んだことなんて意味がない」になってしまうわけですね(^_^;

で、そのことをしっかり書いた本というと、真っ先に思い浮かぶのが、この『知の技法』です。
それもそのはず、この『知の技法』は、東大の教養学部一年生の必須科目「基礎演習」のサブ・テキストとして編集されたもの。
執筆者も全て東大で教鞭をとられている先生方です。

構成は

第一部 学問の行為論
 文系の学問とは?大学で何を学ぶべきか?

第二部 認識の技術
 先生方がご自身でやられているフィールドワークや文献読解などを具体的に挙げて、
 知に接するときの心構え等々を解かれています

第三部 表現の技術
 論文、レポートとしてまとめる際の注意点などなど

この第二部が雑多な内容過ぎて、テキストの目的がぼけてしまっている気もしなくもないですが、一つ一つの内容はそれぞれ面白く、学問するって楽しいものなんだろうなーというのは伝わってきます。
書かれた時代(1994年)の内容なので、ちょっと古いものですが、知に接する心構えという普遍的な内容は汲み取れると思います。
今だったらインターネットや携帯などといったツールについても語られるべきでしょうね。

ちなみに、この『知の技法』は「知の三部作」と呼ばれるものの一つで、ほかに
『知の論理』『知の倫理』があります。
これももってるけど内容忘れた(^_^;
どっちも面白かった記憶はあるのですけど。
また読み返してみよう。。。

知の技法―東京大学教養学部「基礎演習」テキスト

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