社会に出て、世間に荒波にもまれるようになってはやウン十年が経過し、大概のことには驚かなくなりましたが、そんなスレッカラシの私でもいくつか怖くて仕方がない事件がありました。

オウム関連の一連の事件は、それに該当します。


 私は『無宗教』で、平均的な日本人と同じく、クリスマスを楽しみ、初詣に行き、おじいちゃんのお葬式は仏式だったという宗教的には無節操な人物ですので、一つの宗教に心身を捧げる方の気持ちがわかりません。

体に爆弾をくくりつけて人ごみの中で爆発させたり、旅客機をハイジャックしてビルに激突させたり、サリン撒いたり・・・それを是とする心理に、底知れぬ恐怖を感じる次第です。


 さて、この作品、我孫子武丸さんという方が著者であります。人気作家の一人らしいのですが、私の好みからはずれていたのか、魔界都市シリーズの菊地秀行さん編集の幽霊退治のアンソロジーで、その名を見かけたのみであります。

解説には・・・

 妻が失踪した高校教師、妻を殺害された刑事、2人の捜査が新興宗教の闇を照らす

・・・とかなんとか(うろ覚えw)。

主人公の一人の刑事は、悪徳警官です。

悪徳警官好きな私は、ピカレスクなのかと思って、手にしたのでした。


 強引な捜査で、新興宗教『救いの御手』を追跡する刑事。

妻の失踪が自分の狂言で、警察には自分が殺害したと疑われていると思い込んでいる高校教師。

この2人が各々の捜査の途中で『救いの御手』という、おそらくオウムをモデルとしているらしい宗教法人で出会った時、事態は思わぬ方向に転がっていきます。


教祖『弥勒』様の正体とは?

刑事の妻を殺害した犯人は『救いの御手』の会員だったのか?

高校教師の失踪した妻の行方は?

本の帯の謳い文句ほどは驚かなかったけど、きれいなカウンターを喰らった感じは味わえます。人間の思い込みの盲点を突かれたかんじですねぃ。

決して読後感がいいとはいえませんが、騙されるのが刺激になる人ならお勧めです。

私はどうだったかって?う~ん・・・ ヤヤウケ。

我孫子さんは、これ1冊でおなかいっぱいかも。


 同時に購入したのは、大好きな作家 佐々木穣 さんの『北辰群盗録』です。

戊辰戦争直後の無法の地、北海道を舞台にした作品です。

『五稜郭残党伝』『雪よ荒野よ』など、ウエスタン風味の幕府軍残党の物語は氏の得意とするところ。

これから読むけど、すっごく楽しみ!!