ねじまき鳥クロニクル第1部、読破しました。
どこかで、村上作品は「情景描写が過剰」と表現されていたのですが、私はその過剰な情景描写の施された文章が嫌いではありません。寧ろ、好きです。
読み始めた時に感じたのは、不思議の国のアリスの和訳を読んだ時のような奇妙な違和感でした。
加納マルタ・クレタ姉妹が出てくる辺りまでに感じたのは、Kの葬列(著:楠本まき)のような感覚でした。猫やねじまき鳥が象徴する物が、正体不明のモルクワァラみたいにも想えました。もしくは、Kの死体。皆、捜しているのに持っているのにどこにも見当たらない。
だけど、読めば読むほど、これは既存の小説や漫画に例える事の出来ない文学作品であるという事を改めて感じさせられました。
反芻して読むと、字や文章の持つ心地よさが楽しめるなぁと感じました。
クミコの特殊な孤独。クレタの苦痛。戦争の恐ろしさ。そういったものが後味として残りました。
最後まで読んだ後の心の中は、本田さんから岡田亨に渡されたカティーサークの箱の中身のように空っぽになりました。また、その空っぽの箱の中身は紛れもなく戦争の話であり、それが話される為に間宮中尉を伝わって箱がやってきたように想います。
第2部も、非常に楽しみです。
