私の息子には重度の知的障害がある

重度の知的障害を持つ息子は
脳性麻痺でもある

出産して
まだ入院中に
成長する上で何かしらの遅れが出ると
告げられた

障害児のママになったのだ

何のスキルも持たない私は
障害児と健常児の子育てを
手探りで始めた

何が良くて
何がダメなのかもわからずに

ある日
上の子の幼稚園のお迎えのとき

水が大好きな息子が
園庭の水たまりに入って
泥だらけになっていた

「汚れちゃうよ」
園児や保護者からの声かけにも
笑顔を向けるだけ

そりゃそうだ
知的な遅れがあるんだから
わかるはずもない

どうにか水たまりから出し
泥だらけの息子の着替えをしていると

あきらかに不機嫌な
上の子が私の横に来た

「ものすごく恥ずかしかった」

上の子が言った言葉が
私の胸にずんときた

きょうだいが
こうちゃんをキライになってほしくない!

恥ずかしい気持ちは理解できることを
上の子に伝えてから
話した

上の子が恥ずかしかったのは
水たまりに入ったこと
声をかけても止めなかったこと
だった

ホッとした

こうちゃんのとった行動が
恥ずかしかっただけで
こうちゃん自身をイヤなんじゃないことを
伝えた

あの時から
私の子育ての中で
1つだけ決まりができた

知的障害を理由に
キライにならないようにしよう

知的障害は仕方ない
こうちゃんがなりたくてなったんじゃない

配慮はするけど
特別扱いはしない

それが良かったのかどうかは
わからない

しかし
今は一緒に散歩に出かけてくれる