記憶
おはようございます 前回に引き続き、祖母の入所後の様子についてです。
すぐに帰ることができると思っていた祖母は、ほどなくして
「何かがおかしい?!!」と気付いたようです。
まあ、当然ですよね。嘘をついて連れて行ったわけですから
そして、以前にもお話しした通り、プライドが高く人を見下すところがあり、
嫁である母に対してもなかなか人でしたので、
祖母の記録の中の結論は、
『嫁が、自分をだましてここに連れてきた!!』となっていました。
入所後、私が面会に行くと・・・。
事の発端(口火を切ったの)は私だったにもかかわらず、
そのことは全く覚えていませんでした
とにかく、「悪いのは嫁だ!」と。
最初のうちは、私も
「でも、市で勧めてくれたんだし、
おばあちゃんもそれならって言って来たじゃん」などと
言ってみたりもしました。
しかし、記憶の上書きは全くできず。
真実とは言え情報を入れ混乱させるよりは・・・と思い、
数回のアプローチ後は記憶の訂正はやめました
そんなわけで、母には当分面会に行かないように伝え、
洗濯物を取りに行くついでに私が面会をする程度にしていました。
入所後1か月位は、面会に行く度に母の文句を言っていましたが、
そのうち慣れ、【どんな理由でここに来たのか?】も
わからなくなっていました。
ただ、もともとの社交的な性格もあり、祖母なりに他利用者さんとも仲良くなってきたようで、少しすると面会時には、
「お友達の〇〇さんっていうの~!
ね~っ!!私達友達よね~」と
他の利用者さんを紹介してくれるようになりました。
実際、どの程度の仲かは本人が言っているだけかもしれませんので、一方的なのかもわかりませんが・・・。
それでも、施設入所の理由を忘れ、楽しそうに過ごしている祖母を見て、
『慣れてきて良かった。これなら入所を選んだことも間違いではなかったな』と思いました。
そして、頃合いを見て私と共に母も面会するようになり、その様子を見て、それまで心を痛めていた母も、徐々に安心したようでした。
施設入所を選択するような時、
嫁姑関係だけでなく、夫の理解や協力、夫の兄弟などとの関係、それら家族と介護者の思いや現実とのずれ、などで大変な思いをされる介護者の方は多いと思います。
介護業界で働いていると、その家族模様を見る機会が多くあります。
大変な思いをしながらも、在宅介護をしてきたお嫁さんに対しての物言いがきついご家族は
結構いらっしゃいます。
逆に、少ないケースではありますが、お嫁さんは一切関わることなくすべて息子さんが対応しているというご家族もあります。
「嫁なんだからみるのは当然でしょ」
「お父さん(お母さん)は、まだ元気だし、別に手がかかるわけじゃないんだから、家でみてくれればいいじゃない?」
「大変っていうなら、仕事を辞めればいいじゃない?」などなど・・・
聞いているこちらがギョッとするようなことを平気で言う方もいます。
何が良いとか悪いとか、合ってるとか間違ってるではなく、ただただ配慮がないなと感じます。
介護技術や知識があったとしても、仕事をしながら家事をしながらの介護は負担が大きいと思います。
しかし、
大抵の方は初めての介護をご自分なりにされているわけで・・・
そうなるとその負担は計り知れないと思います。
その人に対しての感謝するのではなく、その言い方は・・・と
悲しくなることが何度もありました。
そのようなお話も今後何かの折にお伝えできればと思います。
長くなったので、また