7月10日、東京世田谷区民会館で開催された動物勉強会「施設の中の動物たち」に参加してきました。こういう勉強会に参加するのは初めてでしたが、日本全国から動物の幸せを考える人たちが多数参加していて、熱気に満ちた勉強会でした。
アメリカと日本で獣医師免許を持つ西山ゆう子先生の話を中心に、女優の浅田美代子さん、作家の渡辺眞子さんと、進行役で女優の菊地由美さんらによるディスカッションが行われました。
今回は、「施設の中の動物たち」がテーマ。
アメリカの動物保護施設についての数字規制の話がたいへん勉強になりました。犬や猫1頭についての面積や湿度、アンモニア濃度についてアメリカでは数字が示されているのだそうです。また何人のスタッフさんがいて、何時間働けるのかによって、受け入れのできる頭数は限られるというお話もありました。1頭の犬猫につき30分というのが平均的な時間だそうで、そこから受け入れのできる犬猫たちの数を考えて欲しいとのこと。ドライなような気もしますが、こうした基準を設けて、動物愛護団体や個人への負担が大きくなりすぎないようにする仕組み作りも必要と思います。行政の役割が本当に大切になってくる問題だと感じました。
さらにはアメリカでは自治体に所属する動物検査官ともいうべき専門的な教育を受けた職種の人がいて、充分な年収をもらった上で、動物愛護団体やブリーダーなどに助言をしたり、違反をした場合の通報なども行っているようです。こうした決まりを作ることで、繁殖屋や生体販売をするペットショップが成り立たなくなってくるのだそうです。
日本には、動物愛護推進委員という制度がありますが、無報酬ですし、権限もほぼありません。もう少し何とかならないものかと考え、選挙の時、地元で立候補する議員さんを見かけた時には、「予算措置をお願いします」と頼んだりしています。
またアメリカで現在、動物愛護施設や団体の質を知るための数値としてアシローマ統計という数字が重視されているという話も、たいへん興味深かったです。
西山先生の話のあとには浅田美代子さんらから、今回の動物愛護法の改正についての話がありました。議員立法と行政立法で、法律のあり方が異なること。今回の動物愛護法は議員立法のため、土壇場で秋田犬や柴犬など日本犬の8週齢規制が除外になってしまったのだそうです。
その後の質問の時間では、ペットの競りや繁殖の盛んな愛知三河の方から、辛い現実の話があり、「繁殖ブリーダーの元に置かれるぐらいなら野犬の方が幸せなのでは」との言葉に心が痛みました。ペットショップで動物を買うことは、犬猫の競りや、ケージに閉じ込めての繁殖に与することになるということを考えていかないといけません。また参議院選挙が近づいている時だけに「だれに投票するのが良いのでしょう?」という質問もありました。ペットの問題は政党というよりも議員さん個人がどう考えているのかをしっかり見極めなくてはいけないのだなと改めて思いました。