インド人旅行者家族と一緒に食事をしているうちに、その家族がインドの中でも裕福な家庭であることが会話から伝わってきた。
デリーの企業に勤めるお父さんと専業主婦のお母さん、子供も身綺麗な衣服を身にまとい、清潔感がただよう。
ふっとデリーのメインバザールで見かけた子供たちを思い出した。
まだ10歳くらいなのにマンゴー屋をやったり、食堂を切り盛りしたり、大人顔負けに働いている子供たち。
目の前にいる家庭なら奥さんが専業主婦をしていられるくらいだし、家族旅行に来れるのも当たり前だ。
10億人もいる国だから、マハラジャレベルの家庭から、貧困家庭まで差がありすぎるのは当然のこと。
でもインドは他の国とは何かが違う。
カースト制度。
社会の授業で聞いたことある程度で、インドに来るまでこれは昔のことだと思っていた。
でもインドではカーストが今でも深く根付いている。
洗濯屋に生まれた息子は洗濯屋、、その子供もまた洗濯屋。。
医者の家庭に生まれた息子は医者、、その子供もまた医者。。
という風に延々と職業が代々変わらないのがまだまだ一般的だ。
しかし、インドは今空前のIT産業ブーム。
なぜインドでこの産業が飛躍を遂げたか?
数学教育の強さもあるけど、ITという新しい産業は長年カーストに苦しめられてきた人々が新しく裕福な生活をすることができる手段のひとつだったのでは?
知的能力と努力で裕福な生活をすることができるチャンスなのかもしれない。
しかし私はこのインドの旅の間中、カーストの名残りを散々目の当たりにすることになる。
インド人たちが旅人に明るく話してくれる内容は時にショッキングな内容であったりすることも多い。
でもインドに来たらインドのことをたくさん知りたいと思う。
インド人とたくさん話したいと思う。
、、、定食を食べ終えた家族は食事で食べきれずに余ったチャパティを紙に包んで渡してくれた。
デリーでお腹を壊しまくったという私の話を聞いて、チャパティなら焼いてあるしお腹を壊すこともないだろうとくれたのだ。
なんて優しい。そして生活にも気持ちにも余裕のある人なんだな、、と思いながら宿に帰ってインドのガイドブックを眺めた。
そこにはカーストについての説明が載っている。
昔の日本にだって士農工商というものはあったはず、、
でも今の日本に生まれてつくづく自由だと感じた。
そして何かを変えたくてここに来ているわけじゃなく、いろんなものを見たいという理由だけでここに来ている。
自分自身の時間とお金を自分の為だけに使える今だからこそ、若いうちにいろんなものをたくさん見なきゃ、と思った。
ガイドブックをベッドに置いた私は、「ガンガーに行かなきゃ!」と、突然思い出したように宿の外に出た。
つ☆づ☆く