さてさて昨日の続き、、


デリーに到着したとこからですね、、


☆☆☆


デリーに到着し、ターンテーブルから荷物を取った後、出口へ向かった。


空港の出口に出たその瞬間、


息が止まるかと思った。


機内の凝視おっさんみたいなインド人たちが、一斉にこちらを見ていたのだ。


100人、いや、200人くらいはいるだろう。


暗闇とその黒い肌が同化して200人の眼だけがギョロギョロとこちらを見ている。


彼らは家族や友人を空港に迎えに来た類いではない。


日本からの到着便に合わせてやってきたインド人たちだ。


つまり日本からのアホなカモを探しに来たってわけ。


私を見たインド人たちは一斉に駆け寄ってきては、


「タクシー?」「タクシ!」「タクシーヤスイヨ!」


とわめきたてる。


強引に腕をつかむもの、前を塞いで歩くのを妨害するもの。


みんなどうにかして私をタクシーに乗せようと必死。


強引に腕をつかまれることほど、むかつくことはない。


「Don't touch!!」


インド以前の旅でも客引きに腕をつかまれることは多かったので、このフレーズはもはや決まり文句である。


ガイドブックやネットやらで調べたが、「デリーの空港にたむろしている客引きは極悪だ!タクシーには乗るな!」そう書いてあった。


なにやら、安全なタクシーとそうでないタクシーがあるらしいが、そんなの見分けがつかないし、安全なタクシーでも突然豹変するかもしれない。。


とにかく、デリー国際空港からのタクシーはとんでもなくトラブル発生率が高いことで有名だ。


ぼったくりで済めばいいほう。


誘拐・・レイプ・殺人のケースもある。


私は客引きにかまわず、どんどん歩き、警察官の所に一目散に向かった。


そして市バスは何時にどこから出発するのか詳しく聞いた。


市民と同じ方法で交通手段を使う。


これ一番ベスト。


市民は善良だが、観光客を相手にする輩が極悪なだけなのだ。

市バスを待つ間も、「バスはこっちだ!」と嘘を言うインド人はたくさんいる。


「その警官はホントの警官じゃないんだよ!」と、どう見ても本物の警官の前で叫ぶ者。


警官は失笑しながら、しっしっと手で追い払う合図をする。


「よし、市バスが来るまでこの警官のそばにいよう。」


しばらくして、1人の日本人らしき男性が出口から出てきた。


男性は一目散にバスに乗るためにこちらに歩いてくる。


どうやらインド慣れしてる雰囲気である。


「おお、はっけ~ん!」


安全だと思えるときは現地人ばかりとつるみたがるくせに、怖いときは日本人や・アジア人・欧米人バックパッカーに頼る、、


それが”へたれパッカー”の特徴だ。


相手が、うざそうな顔をしたなら、即座に去るし、そうでなければ、話を続行させる。


「Are you Japanese?」


「yes.、、、はい、そうですけど。。」


「もしかしてメインバザールに行くのなら一緒に行きませんか?」


この手のバックパッカーはだいたいデリーの安宿のメッカ、メインバザールに向かうのが常。


「ええ、もちろん、いいですよ!」


よっしゃ、バスに乗っている間にこの人からインド体験談を色々聞いてみよう。


やがてバスが来て、激安運賃でデリー市民と一緒にバスに乗り込んだ。


硬い座席に腰をおろすと、一斉にこちらを凝視されているのがわかる。


気にしない、気にしない、


凝視おっさんでもう免疫できてるし!


バスは快調な走りを見せたが、突然、


「ちゅど~ん!!」


という爆音がなり、激しく揺れた後、停止した。


まさか、インドに来たばかりでテロにあったのか?


が、なんてことはなかった。


バスがカーブでうまく曲がれず、民家に激突したらしい。


ここからがやっかいだった。


民家の人間が血相を変えて出てきて、めちゃくちゃキレ始める。


そりゃそうだ、いきなりバスが自分家に激突したら誰だってビックリするしキレる。


しかし、ぶつけた張本人の運転手は謝ろうともせず、民家の人間と言い争いを始めた。


まるで、「そこにオマエの家があるのが悪い!」


と言っているかのような開き直りっぷりだ。


まじで?


運転手さん、今のどう考えてもアナタが悪いよ。


と思うのだが、バスの乗客は運転手を援護し始めた。


間違ってる、、絶対間違ってる!


そのうち、民家の人間を援護する道端の人間がワラワラと集まり、


もはや暴動寸前である。


早くメインバザールに行って、宿探して寝なきゃならんのに~!


ケンカは一向に辞める気配がなく1時間が経過した。


あ~あ。運転手が謝れば済むことなのに。


しかし、謝れば済む問題ではない。


どうやら家の修理代を払うか払わないかでもめてるらしい。


きっと安月給のバスの運転手が払える額ではないだろうし、バス自体もベコベコになってるはず。


運転手だってなんとか修理代を払わずに済むようにと必死なのだ。


ようやく事態が終結し始め、バスは走り始めた。


それも、とんでもない速度で、、


バスの運転手の精神状態が顕著に表れる運転の荒さである。


その後の運転手がどうなったかは知らないが、


この一件で借金を背負い、今頃デリー空港でカモ旅行者を出待ちしているかもしれない。。


デリーに着いたら極悪タクシーに気をつけよう!


ついでに、、市バスにも気をつけよう。


運転は基本うまいが、事故ることを彼らはたいして恐れてはいない!

つ☆づ☆く