インド行きを逃してしまった私は、空港でしばらくポカーンと立ち尽くしていた。
まじでインドには行けないのか、、、
がっくりと肩を落としているところに、さっきのカウンターにいた美人なおねえさまが走ってやってきた。
「良かった~、まだいたのね!今日は乗れないけど明後日の便にはまだ席が空いてるから変更料を少し払えば乗れるわよ!」
「じゃあ明後日の便に変更してください!今すぐインドに行きたいんです!」
2日後、早めにチェックインした私は無事に飛行機に乗りこんだ。
機内はとんでもなくガラガラ状態。
しかも、インド人ばかりで日本人があまりいなかった。
ん~?
下調べ不足な私は今インドに行くことは時期的に適してないことを知る由もなかった。
インドで最も暑いと言われる地獄の7日間、、
その直前にインドに意気揚々と旅立ってしまったのである。
機内でサリーに身を包んだインド女性を見ては、
いよいよインドに行くのね~!!
と興奮気味だったが、
ふとひとりのインドおっさんにガン見されてることに気がついた。
パッとそちらに目をやると、
もの凄い眼力でこちらを凝視している。
気にせずインド新聞に目を通していたが、
おっさんは15分たっても凝視を止める気配がない。
パッと見ると、刺すような目つきでこちらを見ているではないか。
しかも、眼が少し黄色っぽくて血走りまくっている。
その血走りかたは半端じゃなかった。
おっさん軽く3日は寝てないだろ?
血走るにも程ってもんがある。
しばらくして機内食が運ばれてきて、私もおっさんもそれを食べ始めた。
しかし、おっさんは一口機内食を口に運ぶ度にこちらを凝視する。
自分は何かおっさんが怒るようなことをしでかしてしまったのだろうか?
考えても考えても、怒るようなことをした覚えがない。
気がつくと鋭い眼光の気配が薄れ、パッとおっさんのほうを見ると、
おっさんは口を開きながら爆睡していた。
しかも、明らかに寝ているのに眼がうっすらと開いている。
怖い、、
と思いながら、やっとおっさんの眼力から逃れて安心した私はいつのまにか眠りについていた。
が、夢に出てきたのは紛れもなくおっさんだった。
おっさんの鋭い眼力だけで、なんと私は、、
妊娠してしまったのだ!!
なんとまぁ恐ろしい悪夢である、、
ふっと眠りから目が覚めると、私は度肝を抜いた。
おっさんが近づいてる!
しかも一見わからないくらいにビミョーに!
確かさっきまで窓際に座る私の隣から4つ目の席にいたのに、
2個隣の席まで近づいてるのだ!
ひぇ~!
いくらガラガラな機内だとはいえ、移動するとは、なかなかアクティブなおっさんだ。
しかし、このままでは本当に眼力で妊娠させられてしまうかもしれない。。
と、着陸のアナウンスが流れ、おっさんはもといた自分の席に戻っていった。
一体なんだったのか?
謎は残るがとりあえず妊娠の危険はなく、無事にデリーへと到着したのだった。
つ☆づ☆く