去年の七夕の夜、私は一人の男と出逢った。
黒いスーツに身を包み、あまり自分の事を話さない彼はとても大人に感じた。
でも、ふとした瞬間に見せる無邪気な笑顔はどこか幼さの残る少年のようだった。
そして、純粋な目は言葉では表せないくらい寂しそうだった‥。
会った瞬間に、私は彼に惹かれていくだろうと直感した。
彼はこの時どんな風に思っていたのか、本当のところは分からないが‥
私達は、
男として‥
女として‥
身体を重ねた。
彼は優しかった‥
孤独だった私を、全身で包み込むような温かい温もりを感じた。
私は彼にキスをした。
唇‥
頬‥
首‥
胸元‥
腕から指先‥
太股からつま先まで‥
一度も唇を離す事なく、彼の全身にキスをした‥。
私に身体を委ねる彼を、とても愛しいと思った。
私は生まれて初めて、異性に対して愛しいと言う感情が湧いた‥
何の変てつもない日々の中で、偶然に出逢った男と女にはそれぞれに幸せがあり、それぞれに癒える事のない傷を抱えていた。
今思うと、出逢うべくして出逢ったんだと強く感じてる。
だが、
この時の私はそんな事など考える余裕もなかった‥