A NIGHT IN TUNISIA ~チュニジアの夜~ | 美肌ジャズタイム

美肌ジャズタイム

『ジャズをもっと身近に』をモットーに、歌とフルートで活動している日本の女性ジャズ歌手若生りえのブログ。ジャズの歌詞について語っています。


電球ここでの解釈は、私、若生りえがあくまでも歌手として歌わせて頂く際の、一つの歌詞の世界であり「こんな気持ちで歌わせて頂いております」という一つの意思表示です。この世界の認識を押し付けたりするものでもありません。あくまでもご参考までに。また文章をお使いになる場合はお手数ですが、ひと言ブログへコメント頂ければ幸いですSAYUうふふ

A NIGHT IN TUNISIA
 ~チュニジアの夜~
1944年 作詞/ 
ジョン・ヘンドリックス Jon Hendricks
1942年 作曲/ 
ジョン・ディズィ・ガレスピ John “Dizzy” Gillespie
フランク・パパレリ Frank Paparelli

【異国情緒あふれる「キャラヴァン」に続く、アフロキューバンの代表作】

「チュニジアの夜」という題名は、

ジャズにあまり詳しくない方でも、

タイトルか曲を、どこかでなんとなく聴いたことが

あるような、ないような・・・、

そんな位置づけの曲かもしれませんが、ジャズでは、この

ディズィ・ガレスピの名前を知らない人はいないというくらい、

有名なトランペッターで作曲家でもある、彼の代表作です。

これをピアニストのフランク・パパレリと一緒に作曲しました。


なんといっても、「チュニジア」という

サハラ砂漠より北にある北アフリカに位置しながらも、

地中海に面していたり、
アラビア語が使われるだけあり、

中東との交流も多く、
この曲のもつ独特の

『エキゾチック=異国的』な雰囲気が

かもし出されている理由もうなずけます。


アフロ・キューバン・ジャズといわれる、

キューバを中心に発展した中米のリズムを基調とした

ラテン・ジャズの一種で、やはりこの
曲の

リズムが流れただけで、血が騒ぐような、そんな感覚は、

こういったリズムによる理由は大きいと思います。


また、1937年にデューク・エリントンが作曲した

「Caravan」の影響を受けているのではないか?

とよく言われるだけあり、エキゾチックなサウンドの、

アフロ・キューバン・ジャズの代表作として

この2曲は、よく取り上げられます。


【現在、4種の歌詞が存在する?】

今回調べてみると、なんと

4つの歌詞が存在するらしい
ことが分かり、

すべてはご紹介できないので、

今現在、一番歌われているであろう、

この歌詞のバージョンを訳してみました。


ちなみに、あとの3つですが、

女性歌手のアニタ・オデイ

アルバム「アニタ・オデイ シングズ・ザ・ウィナーズ」

の中で歌っている
ヴァージョンで、

「A Night In Tunisia (Love Was Just An Interlude)」

というように、副題がついていて、歌詞の中には

「チュニジア」という言葉が出てこないのです。


もう一つは、エディ・ジェファーソンという、

スキャットというか、

もともとは有名なアドリブの演奏に

あとから歌詞を付けて
歌う

「ヴォーカリーズ」とよばれるスタイルを確立した人
で、

それを受け継いでいる例が、

マンハッタン・トランスファーの

「フォー・ブラザース」などで、

とにかくこの人の付けた長い歌詞も

あるみたいです。


最後のもう一つは、ソウル・シンガーとしても有名な

チャカ・カーンという女性歌手が付けた

歌詞もあるとのことで、

今回のもあわせて私の知る限り、

4つありました。


しかし、今回の訳詞を読む限りでは、

さぞや、真っ暗な砂漠の道も

星の輝きでまばゆい、

美しい場所なのだろうなぁ~・・・

と夢はふくらみますキラキラSAYU愛キラキラ


【名演も数多く・・・】

名演も数多く、作曲者のディズィ・ガレスピーを筆頭に、

マイルス・デイビスチャーリー・パーカー

バド・パウエル。


女性歌手ではエラ・フィッツジェラルド。

また、先ほどのアニタ・オデイ

別ヴァージョンも共に有名です。


なお、今回カタカナの表記は

「チュニジア」の方が有名なのでこちらにしましたが、

発音的に近い「チュニズィア」というように

書かれているものもありました。


みなさんもご存じの通り、

ここ数年、チュニジアでの大変な事件が

ニュースで流れてきています。

この歌を歌わせて頂くたびに、

平和への祈りの気持ちが強くなります。


それでは、異国の旅人気分でどうぞっドコモ絵文字


キラキラ『チュニジアの夜』ですキラキラ


やはり、作曲者の一人ディジィ・ガレスピーのライブから!
どれがディジィ・ガレスピーかって?
演奏しだすとすぐにわかります(笑)


《英語歌詞》

The moon is the same moon above you

Aglow with its cool evening light

But shining at night in Tunisia

Never does it shine so bright


The stars are aglow in the heavens

But only the wise understand

That shining at night in Tunisia

They guide you thru the desert sand


Words fail to tell a tale too exotic to behold

Each night’s a deeper night in a world ages old


The cares of the day seem to vanish

The ending of day brings release

Each wonderful night in Tunisia

Where the nights are filled with peace

フェイクしているのでわかりにくいかもですが、
(すぐに探せた映像で)この歌詞で歌っているのは、
エラ・フィッツジェラルド!


月はいつもと変わらず空高く昇り

夕焼けに染まり赤く輝いている

でもこのキラキラと輝くチュニジアの夜ほど

まばゆく輝く夜を他に知らない


星たちはダイヤモンドのように光り

まるで天国にいるよう

でもこのはてしない砂漠の夜を通り抜けるすべは

この溢れんばかりに輝く

星たちの導きだけだということは

賢者しか知らない


異国の輝きにみちた美しい「夜物語」を語るには

言葉だけではとても語りつくせない

チュニジアの夜は

はるか長い年月を経て

より神秘さを増しているから


1日の中で感じる心配事も不思議とどこかへ消え

夜の訪れとともに自由をもたらしてくれる

このチュニジアのすばらしい夜は

いつでも平和に満ち溢れている