DREAM A LITTLE DREAM OF ME ~せめて眠るときは私の夢を~ | 美肌ジャズタイム

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『ジャズをもっと身近に』をモットーに、歌とフルートで活動している日本の女性ジャズ歌手若生りえのブログ。ジャズの歌詞について語っています。

電球ここでの解釈は、私、若生りえがあくまでも歌手として歌わせて頂く際の、一つの歌詞の世界であり「こんな気持ちで歌わせて頂いております」という一つの意思表示です。この世界の認識を押し付けたりするものでもありません。あくまでもご参考までに。また文章をお使いになる場合はお手数ですが、ひと言ブログへコメント頂ければ幸いですSAYUうふふ

DREAM A LITTLE DREAM OF ME
~せめて眠るときは私の夢を~


作詞(1931年)/
ガス・カーン Gus Kahn

作曲(1930年)/
ウィルバー・シュワント Wilbur Schwandt
ファビアン・アンドレ Fabian Andre

【夢を追う彼杉浦太陽(可愛い)それを支える彼女

アメリカはウィスコンシン州の同郷同士という、ウィルバー・シュワントファビアン・アンドレが1930年に作曲し、その1年後に『I’m Thru With Love』などの素晴らしい作詞を手がけたガス・カーン可愛らしいバラード。

作曲者の二人はそれぞれギターやベースの名手と、クラシック音楽の教育を受けていて、作品の多くは主にラテンを得意としていたようです。

しかしこれは特にそういった雰囲気は感じられませんがサビの展開がちょっとキラリと光るような、本当に可愛らしい雰囲気を持った優しいバラードです。

【歌詞の深読み】

色々な訳詞方が出来そうですが、この歌も、今後掲載予定の『Dream~ドリーム~』のように、『眠るときに見る夢』と、自分の将来の希望や目標などをさす『かなえたい夢』を引っ掛けていているようです。

今回の歌詞のテーマは、夢を追う彼、そして、それを支える可愛くて健気な彼女を描いたラブソング。

そんなイメージで訳しました。

二人はとても愛し合っていて、お互いに『結婚』と言う文字も頭にはあるものの、彼の夢が叶うまでは一緒にはなれない。

夜になると、夢を叶えるための勉強をしに家へ帰ってしまう彼。

誰よりもそばで支えているから、一番分かっているつもりでも、いざ、今日もお別れの時間になると寂しくなって、つい子供のようになってしまう。

でも、ワガママはいえない。

だから彼女はいうのです。

「夢を追い求めるあなたが好きだけど、やっぱりずっと一緒にいたいし夜も寂しいの。でもちゃんといい子で我慢するから、あなたが帰るときは、優しくなだめるようにおやすみって言って、キスをして。そして、せめて眠るときの夢は、私の夢をみてね」

というところではないでしょうか(笑)

なんとも健気ではないですか。

英語歌詞と照らし合わせていきますと・・・。

英語歌詞はじめの※1『星のかがやき』は
Stars shining bright above you  ※1

最後に※3『太陽のかがやき=夢の光があなたに届く』
Sweet dreams till sun-beams find you  ※3

つまり『夢が叶う』ということにつながります。


※2の『night-to-night』というのは普通『night-night』と言って、幼児言葉として使われるようです。
Say “night-to-night” and kiss me  ※2

ここでは前述のように、
家に帰ってしまう彼に、しっかり者の彼女もさすがに別れ際には、ちょっぴり甘えてしまうダダっ子のようになっている、そんな子供のような彼女を彼がなだめるように「おやすみ」と言うような場面なので「Good night」ではなく、こちらで表現しているのですね!

今日も私を一人残して家へ帰って行った大好きな彼のことを、星空の下で一人寂しく切なく思っていると、彼のささやく声の様な優しい夜風に吹かれ、つがいの鳥のさえずりが聴こえてくる・・・。

うーん!!

ガス・カーンって、女性だったっけ?なんて思ってしまいます。

あっ!それとも、もしかして!!

作詞家になるまでの自分の実体験だったりするのかな(笑)


《誰を聴く?》

やっぱり女性のヴォーカルがイチオシでしょうか?

ほとんどの有名な人は歌っている、といっていいほど沢山の人が歌っているのですが。

エラ・フィッツジェラルドは、しっとりと語りかけるように。

アン・バートンはサラッと、でもかえって情感が伝わるような。

ドリス・デイは、『お嫁さんにしたいNo.1』のような可愛らしい歌声。

ちょっとけだるい良い雰囲でラッセル・マローンのギターで贅沢に歌うのは、ダイアナ・クラール

ウクレレのカラリとしたサウンドにのって「私も頑張るから、あなたもガンバッテー!」と、明るく軽快に応援するのはジャネット・サイデル

私のイチオシは、『辛い別れ』などで有名な、カントリー界の女王、アン・マレー!包み込むようないい声です。ビブラートとか細かいところは違うんだけど、声の良さを表現するなら、カレン・カーペンターの声を少しかっこよく大人な雰囲気にしたような。

男性では、さすが!味あるサッチモ節!のルイ・アームストロング

裏切らない、ナット・キング・コール

なんだかいいじゃない?艶っぽいディーン・マーティン(笑)!

ちょっと鼻にかかったような声が色っぽい、ジャズ界の新星からいつのまにかジャズ界のスーパースターに。マイケル・ブーブレ!!

バッキー・ピザレリのギターもいいけど、やっぱりこれはぜひ歌詞を味わって欲しいですねぇ~。

大作詞家のサミー・カーンとは全く関係のないガス・カーンの素晴らしい作品。

名バラード!!

『DREAM  A  LITTLE  DREAM OF  ME』
(ドリーム・ア・リトル・ドリーム・オブ・ミー)

「せめて眠るときは私の夢を・・・」です!

どうぞっ!

(英語歌詞)

Stars shining bright above you  ※1
Night breezes seem to whisper "I love you"
Birds singing in the sycamore tree
Dream a little dream of me

Say “night-to-night” and kiss me  ※2
Just hold me tight and tell me you'll miss me
While I'm alone and blue as can be
Dream a little dream of me

Stars fading, but I linger on, dear
Still craving your kiss 
I'm longing to linger till dawn, dear
Just saying this

Sweet dreams till sun-beams find you  ※3
Sweet dreams that leave all worries behind you
But in your dreams whatever they be
Dream a little dream of me


(日本語和訳歌詞)

星のきらめきがあなたに降りそそいでる
心地よい夜風はまるであなたのかわりに
「君を愛してるよ」って私に囁いているみたい
つがいの鳥が、大きなスズカケの木で
ラブソングを歌ってる

ねぇ、どうぞせめて夢の中では私の夢を見て
そしていつでも、誰よりも
あなたを愛している私がいることを
忘れないでいてね

帰るときには「おやすみ」と言って
ダダをこねる子供をなだめるように
私にやさしくキスをして
しっかりきつく抱き寄せて
「このままずっとこうしていたい」って
ちゃんと言葉で言って
夜になるとあなたはお家へ帰ってしまって
その間、私は一人ぼっちで寂しいけれど
明日になればまたきっと会えるから
ガマンしなくちゃね

ねぇ、だからせめて
眠るときくらいは私の夢を見て
そしていつでも、誰よりも
あなたを愛する私という味方がいる
ってことを忘れないでいて

星たちの輝きはうすらいでいっても
さっきのキスの余韻に
ますます思いはつのるばかり
結局、朝が来るまでずうっと
昨夜の余韻に浸りながら
あなたのことばかり思っていたわ
だから神さまにお願いしたの
どうか早くあなたに会えますように、って

あなたの追い求めるきらめく夢の光が
いつかあなたに降りそそぐその日まで
その夢こそが全ての心配事を消し去って
いつでもあなたを味方するわ
でも、そのあなたが描く夢が
いったい何であろうとも
いつかきっと、必ずそれは叶うから

せめて、眠るときの夢は
私の夢を見て!!
そしていつでも、誰よりも
あなたを心から応援してる
私がいることを忘れないでいてね



女性ジャズボーカルの定番
ドリス・デイ


なんと!『辛い別れ』などでおなじみ、
カントリーシンガーのアン・マレー
シンプルだけど、本当いい声だなぁ~!

音楽がおおらかで大好きな大御所コンビ。
エラ・フィッツジェラルド&ルイ・アームストロング


男性ですが、ジャズ界のスーパースターをお忘れなく!
シンプルながらも歌詞を伝えるのが上手い、
マイケル・ブーブレ