〈記録〉
認知症の母の体調不良〜入院まで

2023年10月13日㈮

母、入院


同年春頃から食が細くなり、夏頃には1日1食、アイスクリームやお刺身、冷凍のたこ焼きを数個食べるのみ
お酒だけは欠かさず飲む状態

春先に認知症の診断がつく

以前から記憶力の低下、約束を忘れる、昨日のことが思い出せない等の症状が度々見られ、お酒のせいなのか歳のせいなのかと思っていたが、運転免許更新の認知症検査で10/100点しか取れないという結果を受け専門医を受診

アルツハイマー型認知症との診断

内服で様子を診ていくという治療方針が決まる

同年9月、下痢症状が見られ酷くなるばかり
そのうちトイレに間に合わなくなり、下着の中で何度も漏らす

初めのうちは自分で下着を替えられていたのがそれもできなくなる

離れたところに住む私は週に4回、母のところへ行くのが精一杯のため
その限られた日には玄関を開けた瞬間から排泄物の匂いと闘いながら到着してすぐに洗濯

母をお風呂に入れ、その間にあらゆる場所に散らばった排泄物を掃除して何度も洗濯機を回す
お風呂から出た母にオムツをはめ、横にさせてお風呂掃除、そして家の中のできる限りの掃除とゴミの処理

おかゆを少しだけ口に運び、それ以上は食べられない
病院へ行かせたいのに母は拒み続け、オムツを替えて少し家事を済ませている間にまたすぐにオムツが匂ってくる

母の住むところへ行く車中では毎回毎回大声で泣きながら目的地へ向かう

いつまで続くのか
母はどうなってしまうのか
認知症が急速に進んでいるのか
違う病気なのか何なのか

ただひたすら出口の見えない暗闇の中にいるような感覚でいたと思う

そして
2023年10月13日 午後3時過ぎ
私を含めた家族全員が限界に達し119番通報

救急搬送され、そのまま入院

病名は
「大腸菌及び虚血性敗血症」

過度な血圧の低下も見られ、救急車両の中で一時危険な状態に

ICU病棟に入り、医師の説明を受ける

あらゆる同意書にサイン

そこからの記憶があまり無い

ただ
『え?大腸菌??』
とものすごく驚いた記憶だけは鮮明に覚えている

何を食べたのか?
認知症が関係して古くなった食品でも口にしてしまったのか?
そんな思いがぐるぐるしていたのと同時にとてつもない罪悪感が襲ってきた


早く病院を受診すべきだった

すぐに漏らしてしまうことを理由に外出するのを躊躇うべきではなかった

様子を見ていれば下痢が改善されて、トイレに行けるようになるだろう

食事も秋になれば摂れるようになるだろう


その数々の "だろう" を何度も悔やみ、タラレバを何度も何度も考えた


帰宅したのは23時過ぎ
翌日からは母の住む家の掃除に明け暮れ排泄物の染み付いた、たくさんのものを棄てる作業に追われる

ICU病棟から一般病棟に移れたのは入院から3日後

入院直前の青白かった母の顔に少しだけ血色が戻ったように見られた

私は週4日の排泄物の処理から開放された気持ちと、病院で診てもらえる安心感からやっと、深く眠りにつくことができた