ベルリンの地下鉄には、改札がない。乗車前に、切符や定期券の所持は誰にもチェックされることはなく、時々、コントローラーと呼ばれる人たちの抜き打ち検査があるくらい。
従って、定期券を忘れてしまった場合、乗車前に自分で気がつく他ないのです”
・・・でも、定期を忘れたことに気がつくことが出来るのは、大抵「改札」前ではないでしょうか。
ベルリンで生活を始めたばかりの頃の話です。
ある日、語学学校から帰宅途中でコントローラーにチェックされ・・・定期券を入れた財布ごと家に忘れたことに気がつきました・・・!当時、ドイツに来たばかりで動揺し、今となっては、コントローラーとのやり取りや罰金をどうしたのかについては、忘れてしまいました・・・。
ただ、今でも覚えているのは、家まで電車でまだ40分はかかるというのに、途中の駅で降ろされ、お金もなく、土地勘もないし、地図も所持しておらず、途方にくれて駅構内の地図を眺めている私に声をかけてくれた女性のこと。
彼女は、私の初心者ドイツ語を理解してくれ、5ユーロ札(当時約500円)を渡してくれました。見知らぬ人からお金を頂くなんて出来ない、と思い、返しますから連絡先を、という私に、「困った時はお互い様だからいいの」というような事を笑顔で言ってくれました。それでも、切符は、2.1ユーロだから、これでは多いですよ、と言ったのですが、何が起るかわからないからいい、と言われ、ありがたく親切に預かること荷しました。彼女がポツダムに勤務している、ということだけ分かったのですが、当然、これだけでは探すことは出来ず・・・。
彼女と別れた後、涙が出てきたも覚えています。今思うと、見知らぬ土地で、コントローラーにチクチク言われた後に、同じドイツ人に親切にされたことで、救われたように感じたのでしょう。親切は天下の回り物。彼女に直接返せなかった分、違う人に回していきたいものです。




