許せない人がいるとき、人は自分のことも一緒に、「許せない」と思っています。  

「あの人に反撃できない自分を許せない」  

「あの人の幸せを手放しに喜べない自分を許せない」  

「あの人が許せない」のは、自分がやりたくてもできないことや、自分の嫌いなところを「あの人」の中に見つけているからです。  

相手のことだけではなく、同時に自分のことも許せなくて、どんどん苦しくなるのです。  

「すべての人間関係は、  

『人を変えようとしない』という修行だよ」  

一人さんは、「許せない人がいます」とある人が打ち明けたとき、じっと耳を傾けて、そう答えました。  

「自分が正しくて相手が悪いって言ってたらキリがなくなるし、家族関係も結婚生活もうまくいくはずがないよね。  

完璧を求める人、自分も人も大事にしない人は、みんなから嫌われる。  

人に嫌われたら、いつまでたってもツキはやってこない。  

じゃあさ、許せないって思う人に謝ってもらったらスッキリするのかっていったら、そうじゃない。  

また別の許せない人が出てくるの。  

人との関係をよくしたいと思ったら、自分が変わるしかないんだよ」

人は、みんなが不完全で修行中の魂です。  

私も、あの人も未熟な神様。  

そう思うと、相手に対する我慢のできない憤りや、「許せない」という思いが緩んでいきます。  

人を追い詰める人は、自分のことも追い詰めています。  

「許せない」という波動を人に向けたとたん、自分の魂も攻撃しているということを、知っていてください。  

「どうすれば、自分を変えられますか?」  

先ほどの会話の続きですが、その人に聞かれた一人さんは、こう言っていました。  

「心が凝ってるんだね。  

コリを取る言葉を教えてあげよう。  

『あの人を許せない自分を許します』と言いなさい。  

『悔やむ自分を許します』でもいいよ。  

自分を好きだって思うことが、人生でいちばん大事なことだからね」

あなたも、許せないこと、許せない人が出てきたら、こう言ってみてください。  

「私は、許せない私を許します」  

相手の人は、あなたに「人を変えようとしない」という修行をさせてくれる人です。  

だから、相手の人に向けては、「あなたの内神様に感謝します、ありがとう」と言ってみましょう。  

人としてのあの人は許せなくても、あの人の魂の深いところにいる神様には感謝をしようと思えたら、あの人の内神様があなたの味方をしてくれます。  

きっと修行が順調にいって、あの人との関係にも変化が訪れることでしょう。  


斎藤一人 高津りえ 著  

『神様に喜ばれる人とお金のレッスン』より