Timeless ;) -12ページ目

スタート


現場での初日、指定された時間に空港カウンターの前へ集合した。


「昨日、寝れた?」
「…あんまり。」
緊張で張り詰めている私達。


総務担当が笑顔で迎えに来てくれた。
その笑顔にとてつもなく救われた。


社員証やロッカーキー、制服の貸与。

一通りの事務手続きを終え、総務担当が言った。


「それじゃ、制服に着替えたら皆に紹介するからね!」


手が震えて上手くスカーフが結べない。
他の同期も同じ様だった。

無言でお互いのスカーフを直した。
スカーフを直してくれた、頬に一瞬触れたその手の暖かさに安堵を感じた。


配属先の先輩がずらっと並んでいる。


「今日から配属されました、●●です!宜しくお願いします!」


出来る限りの笑顔と声で、スタートを切った。

お疲れ様。



制服の採寸を終えた浮き足立った私達に、教官が声を出した。


配られたプリントには、明日からの出勤予定が書かれている。


15人。
肩を並べて来た私達は、明日からはバラバラ。

それぞれの班に振り分けられる。


「明日からは、各班でのOJTになります。今日まで学んだ事を忘れない様にね。本当にお疲れ様。」


“お疲れ様。”


厳しい教官が少し、微笑んだ事。
今でも覚えている。


張り詰めていた糸が、パンっと切れた。


なんか、泣けてた。


制服



約1ヶ月。
基礎訓練が終わりを告げた。

テストやデモンストレーションも無事に乗りきった私達は、心なしか痩せていた。


いや、やつれていた・・・。



今日で終わり!
という安堵で包まれた私達に、制服の採寸が行われた。


サンプルに袖を通す。

憧れのスカーフ。

黒いストッキングに、ガチガチにセットされた髪の毛。

鏡に映った“それらしい”雰囲気に、お互いがお互いを褒めあう。


それを横目に、教官はただ厳しい眼差しで私達を見つめていた。