⑥人魚姫 [選択の自由] その五 | 童話と道徳と精神と行為

童話と道徳と精神と行為

命は一個 人生は一回 命を守るのは真心
だから大切ね「真心」




人魚姫には お姉さんがいました
仲良しで 彼女たちは 人魚姫をとても可愛く思っていました

愛しい末の妹の命が危うい

黙ってこまねいてはいられないよね

姉たちは  美しい髪と交換に
人魚姫を救うを手に入れた

陽が昇る前に 王子様を殺してしまえば
助かる
人魚に戻れる

姉たちは 必死よ
時間が無い

人魚姫は人魚に戻れる 機会を手に入れた

どうする?…


人は常に 何かを選択して 生きる
その 選択したものが  次の事柄 事象を呼び込む

それを受けて  また  選択する

繰り返し繰り返し

人魚姫は  王子様を殺さない
ことを選んだ

殺せなかった…のかしら?
殺さなかったのかしら?
それとも
生かしたのかしら?

どうかしら?


寝屋ですやすやと眠る 王子様とお姫様を見て
何を思うかしら?

それを 喜べと言った 愛しい人を  
どんな気持ちで見たかしら?

どの様な行為をも選択も出来る
選択する時には必ずあるもの

理由

同じ行為に見て取れても  その行為の理由で
その者の精神が見て取れる

殺せなかったから
殺さなかったから
生かしたから

意味が違う

意味が違うとね
その後に現れでる 心が違う

違う色よ

私なら どうする?
貴女はどうする?


お姉さん達の気持ちも 考える
王子様の気持ちも考える
お姫様の気持ちも考える

自分の気持ちも考える…


誰も 悪くない

私なら  自分の信念を曲げない
王子様を生かすの

自分の命を蔑ろにするわけじゃない
自分の命を引き換えにするのでもない
自分の気持ちも押し殺さない
自分の想いを隠さない
自分の…

愛しい人の悦びを 喜ぶんだわ

私なら そうする
契約の時間が来るのを待つでもなく
静かに 考える
自分のして来た行為を 見つめる

死ぬまで 考えて過ごす

最後が来たとわかったら 
誰にも見つからない所に行く

猫みたいに


それから  泣く

それが正直でしょ?

選択の自由には自己責任が付いてくる

皆同じ
例外なんてないのよ


人魚姫は…殺せなかったのよ!

そうよ
感情で選択したの

彼女の愛には  感情は見て取れても
信念が見えないのよ…


彼女と同じ 言葉を取り上げられたお姫様
お話があるの

このお姫様の愛と見比べてみると
愛がどのようなものか
少しは解るかもしれないわね

そのお姫様のお話も書こうかな…

泡の先の世界を見てからね



アンデルセン童話集1・・人魚姫