「まずは、今年の春にこの『大空小学校』に入学した1年生から。入学して半年、大きくなりました。お父さん、お母さん、おじいちゃん、おばあちゃん、お子様のお孫ちゃんの晴れ姿見てください。」


「ジョンスのヤツ、ナニ浪花節的なこと言ってるんだよ。」

「でも、ヒチョル副首相、泣いているおばあちゃん、たくさんいますよ。」


リョウクの言葉通りハンカチで涙を拭っているおばあちゃんがチラホラいらっしゃる。


「そんなわけねぇだろう。タダ暑くて汗を拭いているだけじゃないのか。おっ、来たよ。」



「先頭は、あの旗は、太陽🌞……イ・ヨンエ先生。まさに女神様です。ジャージ姿なのにお美しい。ジャージが金糸銀糸で作られた韓服のようです。」



「おい、あいつ鼻の下伸びてるぞ。」

「でも、表現は的確ですよ。イ・ヨンエ先生はキレイだもん。僕達の憧れの先輩だもん。」

「まぁ、小学校の先生にしておくのはもったいないよな。」



ジョンス首相の司会も面白いけど、ヒチョル副首相とリョウクのやり取りも笑える。



「遅くなりましたが、本日の《大空小学校の運動会》、総合司会を務めさせていただきますのは、わたくしパク・ジョンスでございます。皆さん、大きな拍手( 右手で拍手をするように合図をしている。その割には、拍手がまばらで、自虐的な表現だ。)ありがとうございます。続いて、月🌙組チャン・ドンゴン先生。これまた、王者の風格です。わたくしよりは、多少落ちますが『カッコいい!』その一言です。」


「ブー👎」ブーイングの嵐だ。


「おいおい、アイツ、観客を敵にまわしたぞ。」

「チャン・ドンゴン先輩と比べるなんて、足元にも及ばないのに。100年早い💢」

「お前、凄いこというな。」

「だって、チャン・ドンゴン先輩は、僕達の大学始まって以来のハンサムなんですよ。それを、比べるなんて、世間を知らなすぎです。」




「次のクラスは、星⭐、星⭐組です。まさにスターのソン・スンホン先生です。太い眉毛が凛々しいです。先ほどのチャン・ドンゴン先生と同様にお母さん、おばあちゃんの視線が……皆さん目が💕です。



「おい、このソン・スンホン先生もお前のとこだろ?」

「はい、そうです。」

「なのに……お前は……」そう言ってリョウクをチラ見する。

「そんな不憫な目で僕を見ないでください。僕だって、ペンクラブあったんですよ。」

「えっ、マジか💥」

「何で怒るんですか?僕にペンクラブあったらおかしいですか?」

「イヤ、別に……タダ……」

「タダ、何ですか!」

「おっ、次のクラス出て来たぞ。」

「話をはぐらかさないでください。」



えっ、リョウクにペンクラブ?

そんなのあったかなぁ?

ちなみに、俺はあったけど

毎日、同級生や先輩、後輩から手紙もらったなぁ

このことはシウォナには内緒なんだ

俺の元彼の話、異常に嫌うから



「次は、雲☁️、ハ・ジウォン先生。運動会がピッタリお似合いです。キュートな姿にお父さん、おじいちゃんがメロメロです。」



「ハ・ジウォン先輩~。」

「お前、なに手ぇ振ってんだ。」

「だって、先輩、可愛いですから。」

「………」



確かに、ハ・ジウォン先輩は、男子はもちろん女子にも凄く人気があったよな。

顔も性格も両方よかったから。



「キュヒョンさん、用意はいい。次は虹🌈組よ。ヒョクとドンヘのクラスだわ。」

「お兄たんのクラス?」

「そうよ。やっと2人が出て来るわよ。前を通るからハル手を振って。」

「うん、ハルちゃん、お手々振るよ。」



「1年生のラストを飾るのは、虹🌈組。イ・ソジン先生。トリを飾るのに相応しい。まさに王者の風格です。まるで王様の様です。」



「おい、ジョンス失言しちまったぞ。」

「王様の前で王様って。」

「俺、しぃらないっと。」

「僕も、知りません。」



「ちょっと、キュヒョンさん、聞いた💢」

「はい……」

「まるで王様って。他の人、ヒチョル副首相ならわかるけどジョンス首相よ。」


お義母様の言葉にヒチョル副首相がズッコケている。


「シウォンの前で王様って💢」

「言葉のあやじゃないですか。」

「そうかしら。」

「そうですよ。お義母様、ヒョクとドンヘが出て来ましたよ。ハル、お兄ちゃん達に手を振って。」

ハルが一生懸命に「ヒョクおにぃたぁん~、ドンヘおにぃたぁん~!」と手を振っている。


俺達の前を行進して行く。


俺もお義母様もハルに負けないくらい手を振って、ヒョクとドンヘに猛アピールする。


ドンヘが俺達に気づいてヒョクに教えている。



そして、2人も俺達以上に俺達に手を振ってくれる。


俺が「ヒチョル副首相、テヒョクが……」と言ってヒチョル副首相を見ると



「テヒョクゥ~!」


ヒチョル副首相が手を振っている。

叔父バカ丸出しだ。