私は母のような人生を歩みたくない。
母のような寂しい女で終わりたくない。


母親に会うたびに胸が苦しくなる。
会話をするとため息が出る。
母から電話がかかってくると
またか…とウンザリする。

そして私は

母の事をそんな風に思っている自分のことを

毎日のように責めていた。

育ててもらったのに…恩知らず・・・と。






とある日の電話

母:「この前、変なオッサンが私の後をつけて来た。ジーッとこっちを見てるから怖い怖い〜。
ストーカーやわ、もう家の中にいよう。」

私「ハァ・・80も過ぎてそんなわけないやん」と、またとめどもなく続くであろう被害妄想話を遮る。


母は聞いて欲しいのだろう。
つたない言葉でいかに自分が被害を受けているかを訴えてくる。

聞くに耐えない。
イラツク💢
たまに様子を伺いに行くのでさえウンザリなのに

同居してくれている兄夫婦はかなりのストレスだろう。
申し訳ない。

数日後、また同じことを繰り返し話す。
イライラしながらその日もテキトーに聞き流していたら

母:「私は〇〇(兄の名)と〇〇(兄嫁の名)を守らないといけないから」

と言うではないか。

いや、アナタがご近所間の揉め事起こしてる張本人ですよと言いたかったけど、言っても無駄かーと思ってまた聞き流した。

私には「誤解しないでね。
なんでもないからね。」と言う。

は❓

誤解❓
何を❓
誰を❓
またまたイラつく💢
そして電話を切った。

切ってすぐ

嫌い❗️アホか⁉️
毒親か⁉️
父親も母親も毒親だ‼️

口に出して言ってみた。
少しスッキリした。


そしてしばらくたってからふと、

「兄夫婦を守るため」
「誤解しないでね」
「何でもないからね」

その言葉は一体どこから出てくるのか?
反芻しているうちに思い当たることがあった。




私が中学生、弟がまだ保育園の頃

母に再婚話が持ち上がったらしい。

結局そうはならなかったが、
あとから何で再婚しなかったのかと聞いたら

子供のためにしない方がいいと思ったらしい。


でも、今思う。
本当は母は再婚したかったのではないか?


自分の気持ちを抑えつけ

子供のために我慢したのに

その当時ありもしないうわさ話にでも傷ついたのか


男性のことを毛嫌いし

同性とはよく衝突していた。



母が離婚したのは38歳の時
それから女手一つで子供3人を育ててくれた。

女であることを捨て
女の幸せを諦め
ただ子供を育てるためだけに働き続けた

その時の無念さ悲しさが
もしかしたら今歪んだ形で現れてるとしたら

それは

私達兄妹を育てるためだったから
感謝こそすれ

どうして責められようか。





私は母のようにはなりたくないけれど

母から学ばせてもらうことは多い。